犯罪の実行役を巧妙な言葉で勧誘する、いわゆる「闇バイト」による強盗事件が今年8月以降、首都圏を中心に相次ぎ問題となっている。この現状を受け、大和警察署(森田仁志署長)では犯罪に加担しないよう注意を促しているほか、強盗犯罪への警戒を強化している。
SNSやネット掲示板で「短時間で簡単に高収入が得られる」などと甘い言葉で人を集め、犯罪に加担させる闇バイト。
そうとは知らず応募してしまうと、気づかぬうちに親族や公共機関の職員を名乗り、被害者を騙す特殊詐欺の受け子や出し子、強盗など犯罪に手を染めてしまう事態に陥る危険がある。
同署生活安全第一課によると、今のところ市内では闇バイトとみられる強盗などはないものの、同署では、中高生に人気の著名人らを起用した若年層に向けた注意喚起など、警戒を強めている。
闇バイトは、応募時に個人情報を相手に伝え、弱みを握られてしまうことから後に引けなくなるケースが後を絶たない。担当者は「決して加担する側にならないよう軽い気持ちで行動しないで。悩んだら一人で抱え込まず、警察に相談を」と呼びかける。
一方、闇バイトの増加により懸念される強盗犯罪などへの防犯対策として、同課では戸締りの徹底、防犯ガラスやサッシの二重ロックなどを挙げる。自宅に侵入された場合は「命が大切。戦おうとせず通報しながら逃げてほしい」と担当者。
詐欺電話が増加
同課によると、今年に入り県内では11月18日までに窃盗や詐欺などの刑法犯の認知件数が3万9994件、特殊詐欺が1663件。被害額はあわせて約49億円。大和署管内は刑法犯が1743件、特殊詐欺は70件で、被害額は約2億円にのぼる(いずれも暫定値)。
現在、市内ではNTTや総務省を名乗る特殊詐欺の電話が増えており、「未納料金がある」という自動音声の指示で番号を操作すると犯人につながり、情報を聞き出される手口が目立つ。
訪問販売や水道・ガス業者を名乗る場合や「市から委託された」と訪問してくるケースも多く「即答せず、会社名などを聞くか対応しないのが良い」と指摘。担当者は「断っているのに相手が帰らない場合は110番を」と話している。