手話サークル「双和会」の創立50周年記念大会で実行委員長を務めた 竹野 美津枝さん 柳橋在住 75歳
「ありがとう」伝えたくて
○…多くの人が集まった会場を見上げ、これまでの努力が報われた気がした。手話サークルが迎えた半世紀の節目を飾る記念大会。今年5月から実行委員長として準備に奔走。プレッシャーもあった。それでもやり切れたのは「メンバーのサポートがあったから」。自然と右手が上下に動く。記念大会を無事に終え、「燃え尽きたような気持ち」とぽつり。安堵と解放感が入り混じる。
○…東京都に生まれた。子どものころから手先が器用だった。習い事のそろばんは上手に弾き、中学校では家庭科部に所属。料理や手芸にのめり込んだ。高校卒業後は父が営む会社に入り、経理を担当した。結婚は25歳。3人の子どもに恵まれた。「今ではひ孫もいてね。来春の入園を前に手さげ袋を手作りしてあげるの」とにっこり。優しい眼差しで裁縫に取り組んでいる。
○…手話に関心を持ったのは40代のころ。タクシードライバーだった当時、耳の不自由な人を乗せた。障がい者手帳の提示で料金が割引になるが「『手帳はお持ちですか』と聞くことができなかった。『ありがとう』も伝えられなかった」。50歳の時に双和会主催の講習に参加し、そのまま入会した。今では「右手をこう上下に動かしてね」と手話で感謝を伝えられるようになった。
○…双和会に加わり、来年で四半世紀を迎える。仲間も増え、手話の腕前も上達した。これからもサークル活動を続けていこうと考えている。「手話を始めようという人たちのお手伝いができれば。皆が感謝を伝え合えたら、素敵でしょ」。体力づくりのために引地台公園を散歩するのが、リフレッシュの時間。「これからも元気に日々を過ごしていきたい」。穏やかな日常への感謝も忘れない。
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