神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
大和版 公開:2024年12月20日 エリアトップへ

江川萌恵さん 0.03ミリで描く世界観 年内最後の創作佳境

文化

公開:2024年12月20日

  • X
  • LINE
  • hatena
玄関に飾られた自身の作品と並ぶ萌恵さん=13日・深見西の自宅で
玄関に飾られた自身の作品と並ぶ萌恵さん=13日・深見西の自宅で

 極細の水性ペンで、独自の世界観をモノクロで表現するアーティストが大和にいる。「萌木さく」の名で活動する江川萌恵さん(22・深見西在住)は、このほど行われた県主催の第1回「かながわともいきアート展〜生きること、表現すること〜」の公募展で最高位となる「大賞」を受賞するなど、注目を集めている。

 「こんにちは」。今月13日、深見西の自宅で出迎えてくれた萌恵さんは、障害のある芸術家による国際コンクールに出す作品の制作に励んでいた。

 純白のオーバーオール姿で水彩紙に向き合う瞳は、0・03ミリのペン先を見つめる。やり直しがきかない作業は多大な集中力を要するが、表情は穏やかだ。「作品の中身はまだお伝えできません」が「テーマはすぐに決められた。その後は勢いに任せて、一気に」

 1日に3時間ほど制作を進めている。今月末に迫った応募の締め切りを前に、年内最後の創作活動もいよいよ佳境を迎えた。「思い描いた世界観をしっかり形にしたい」と意気込む。

 母の京子さん(45)によると、萌恵さんは生まれつき脳幹に障害があり、人とのコミュニケーションが苦手。適応障害や自閉症がある。幼稚園児のころから手先が器用だった。小学校高学年になると京子さんは萌恵さんに画材を買い与えた。

 2019年に「コピックアワード」の次世代アーティスト賞を受賞すると、その後も全国規模のコンペで入賞を重ねていった萌恵さん。今年11月に表彰式が行われた「かながわともいきアート展」では、傷ついた蝶に舞い降りる鳳凰を描いた「不滅の国」が大賞に。動物や自然、架空の生き物が共存する世界観は、高く評価された。

「ベストアーティスト」

 「こんなにたくさんあります」。萌恵さんはインク切れのペンが大量に入った箱を見せてくれた。1枚の作品を描くのに1カ月〜半年。ペンは3〜10本以上消費する。

 「ペン画家」として活動する萌恵さんは今年11月、横浜市で初の個展を開いた。9日間でおよそ400人が来場し、8枚の作品が売れた。「2度目の個展を開くことが来年の目標」と萌恵さんは笑顔で明かす。

 そんな愛娘には「自立し、羽ばたいてほしい。それまでできる限りのサポートをしたい」と京子さん。小学校卒業時の寄せ書きに「ベストアーティスト」とつづった萌恵さんの夢は、始まったばかりだ。

大和版のトップニュース最新6

飲酒運転は絶対だめ

大和警察署

飲酒運転は絶対だめ

年末にむけ取締り強化

12月20日

0.03ミリで描く世界観

江川萌恵さん

0.03ミリで描く世界観

年内最後の創作佳境

12月20日

初のICT導入訓練

大和市社協

初のICT導入訓練

災害時ボラ、スマホで対応

12月13日

ネーミングライツを導入

大和ゆとりの森

ネーミングライツを導入

市内の公共施設で初

12月13日

健康から「健幸(けんこう)」へ

新総合計画基本構想

健康から「健幸(けんこう)」へ

古谷田カラー、色濃く

12月6日

歳末の火災に注意喚起

大和市消防

歳末の火災に注意喚起

家庭でできる対策を

12月6日

大和市で葬儀なら、地元「ふじみ式典」

地域顧客満足度NO.1店を目指す創業35年以上の葬儀社です。

https://www.fujimishikiten.co.jp/

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 12月20日0:00更新

  • 12月13日0:00更新

  • 12月6日0:00更新

大和版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年12月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook