4月1日付で大和市消防本部の消防長に就任した 中丸 剛仁(たけひと)さん 深見西在勤 59歳
市民の安全にまい進
○…高まる救急需要に対応するための「日勤救急隊」創設や、来年度の消防通信指令システムの一元化など、変革期に入る大和市消防本部の消防長に就任した。人事異動が出た際は「まさかという驚きはあったが、身が引き締まる思いだった」と襟を正す。就任時の訓示では「職員全員が一丸となり、市民の期待に応えていく」と伝え、安全のために全力で取り組む姿勢を示した。
○…横浜市泉区出身。幼少の頃から体を動かすことが好きだった。甲子園で活躍する原辰徳選手に憧れ、野球を始めた。友人と集まり夢中になって白球を追いかけた。中学と高校でも野球部に入部。高校へはスポーツ推薦で入学するほどの実力だった。高3の夏に進路を決めるときに思い出したのは、小中学校の通学路での風景。消防署で訓練する隊員たちの背中に魅せられ、大和市消防の門をたたいた。
○…入庁後は消防隊や救助隊、総務課などを経験した。30代後半には県の消防学校の教官として、2年間で約300人の若手の育成に携わった。「今でも連絡をくれる教え子もいる。この時の出会いは人生の財産」と振り返る。家に帰れば優しい父親と夫の顔に。中学3年生の娘を見守り、妻と月に一度はランチへ。店を決めるのは自身の役目で「大事なコミュニケーションの時間」と笑顔をみせる。
○…救助隊時代には言葉が出なくなるような現場に直面することもあった。危機管理監として市全体の防災を担っていた経験から「消防として防災力の向上」を常に目指している。災害時の初動の確認や、計画の作成を行い「災害発生の際に、72時間のタイムリミット内で職員が活躍できる体制を整えていく」。今後も市民の安全づくりにまい進する覚悟だ。