学校法人大和学園(伊東千鶴子理事長)が運営する聖セシリア小学校の講堂「八角堂」にこのほど、大正から昭和にかけて活躍した画家、長谷川路可の壁画が寄贈された。
大和学園によると、この壁画は長谷川路可が1928年に描いた作品。現理事長の母で大和学園を創設した伊東静江さんが、同年に東京都狛江市に建設した私設の聖堂に飾るため制作を依頼したものだという。
伊東さんは1929年に現在の大和学園を南林間に開校。その後、この聖堂は1931年に世田谷区喜多見に移され、小教区・喜多見教会として長年親しまれてきた。
一般にも公開
この喜多見教会が今年7月に成城教会と統合されたことを機に、創設者である伊東さんと縁が深い大和学園に壁画が寄贈された。
壁画は、壁に漆喰を塗り乾燥する前に顔料で描くフレスコ技法で描かれたフレスコ画。長谷川路可は国内での第一人者で、その作品が珍重されている。
壁画の移設は8月25日から28日にかけて行われ、長谷川路可の弟子で画家の宮内淳吉さん(76)=横浜市都筑区が立ち会った。宮内さんは「路可先生の初期の作品で感慨深い。大切に守っていってほしい」と話している。大和学園では、「日本最初」とされるこのフレスコ壁画を一般にも公開している。