全国高等学校定時制通信制体育大会の自転車競技大会が8月7日・8日に伊豆の日本サイクルスポーツセンターで開催され、渋谷在住の鈴木薫さん(神奈川総合産業高等学校定時制3年)が出場した4種目全てで優勝した。
鈴木さんは、7日のトラック競技では「1Kmタイムトライアル」、「4Km速度競争」、「チームスプリント」に出場し優勝。8日のロード競技では「30Kmロードレース」に出場し、58分28秒65の大会新記録で優勝した。ロードレースでは団体としても優勝し、計5つのメダルを獲得した。
「有言実行できた」
鈴木さんは昨年の同じ大会では鎖骨を骨折して出場できず、2年ぶりの出場。「高校でのひと区切りとなる大きな大会なので、『出場全種目制覇』『大会新記録』『自己ベストタイム更新』の3つを目標に掲げて臨みました」。学校の壮行会で「他の選手をぶっちぎって優勝する」と宣言し、見事「有言実行」。しかし、「自己ベストタイム更新はできなかった」と悔しそうな表情も。
通学も練習時間に
もともと自転車に乗ることは好きだったが、本格的に競技を始めたのは高校に入学してから。顧問の西井比呂司教諭の指導のもと、メキメキと実力をつけた。
普段、学校の授業が終わるのは午後9時。10時には完全下校で、練習時間は30分程度。準備体操もろくにできず、室内ローラーを軽くこぐだけで終わってしまう。彼の成長を支えるのは、毎日の通学時間だ。自宅から相模大野にある学校まで約13Kmを自転車で通う。土日には相模川の河川敷や「ヤビツ峠」などで走り込み、「歩いている時間よりも自転車に乗っている時間の方が長い」と話す。焼けた肌、筋肉隆々の太腿が、自転車への思いを物語る。
目指すはプロ選手
プロ競輪選手で活躍することを目標としている鈴木さん。現在は日本競輪学校(静岡県修善寺)への入学を目指し、プロ選手に弟子入りして毎日トレーニングを積んでいる。「設定タイムは厳しい。それでも10月の実技試験まで少し時間があるので、タイムを縮めていきたい」