大和市教育委員会は、昨年度のトイレ改修で男子トイレ1カ所の完全個室化を実施した市内小中学校5校で、男子児童・生徒へのアンケートを実施し、その結果をこのほど発表した。全体では55%が「よかった」と回答しており、市教委では今後も各校で整備を進めていく方針を示した。
大和市教育委員会は約15年前から、老朽化し「汚い、暗い、臭い」という印象が強い公立小中学校のトイレの改修を進めている。その中で昨年度、改修に併せて小便器のない完全個室の男子トイレを各校1カ所設置する方針を発表した。
これは、「子どもが学校で大便をしづらく、下校途中で漏らしてしまった」という児童・生徒の保護者からの声を踏まえたもの。背景には、小便器と大便器に分かれる男子トイレでは個室に入って用を足すと、からかいやいじめの対象になってしまうことがある。
その方針を受け、昨年度改修工事が行われた福田、下福田、大和東、文ケ岡の4小学校と下福田中学校の計5校に完全個室化の男子トイレが1カ所設置された。
改修から1年で調査
市教委では改修から約1年となる今年7月、設置5校の全男子児童・生徒に対して、完全個室化に対するアンケートを実施。「よかった」と「よくなかった」の2択では、小学校で53%、中学校では63%、全体では55%が「よかった」と回答した。「よくなかった」は小学校38%、中学校34%、全体37%。また、未回答はそれぞれ9%、3%、8%で、ここには2択どちらも選ばず「どちらでもない」と記入した回答なども含まれている。
自由意見欄への回答では、「友達の目が気にならない」「恥ずかしくない」といった肯定的意見がある一方、「おしっこが付いていて汚い」「急いでいるときに不便」「座るのが面倒」などの否定的意見も見られた。
全校での導入めざす
市教委では今回の調査を踏まえ、「概ね子どもたちのニーズに対応できていると捉えている。自由意見も参考にしながら、汚れなどが染み込みにくい床や壁を取り入れるなど、改善していく。残りの学校もできるだけ早い時期に完全個室化の男子トイレを設置したい」としている。
今年度は中央林間、緑野、上和田、引地台、渋谷の5小学校と、南林間、鶴間の2中学校でトイレ改修が行われており、概ね夏休み期間中に完了している。