増え続ける保育需要に対応するため、大和市は7月以降に大規模な開発をする際、その建物の中に保育施設を設置してもらうための促進策を開始した。保育施設分を容積率にカウントしないことと、固定資産税を5年間減免することの2つが柱となっている。
容積率を緩和
1つ目は、大規模なマンションや商業施設などを建てる際、敷地に歩道や広場のような公開空地を20%以上設け、かつ建物内に保育施設を設置すると、保育施設分は容積率の計算に含めないようにする。
市担当課によると20%は「歩道を設置するのと同じ程度の敷地」であることから、マンションでは、建物内の住戸数を減らすことなく保育施設が設置できるようになる。
税制面で優遇策
2つ目は、200戸以上のマンションを建設する際に、その建物内に保育施設を設置すると、保育施設部分の固定資産税を5年間、全額減免するというもの。
税制面での優遇策を設けることで、マンション開発時の保育施設設置を支援する。
待機児童数ゼロ継続へ部署横断で取り組み
大和市は今年4月1日の時点で、3年連続の待機児童数ゼロを達成している。
しかし、来年10月から幼児保育無償化がスタートするほか、国の見通しでは今後、保育申込みの申請率は上がっていくとされている。現在、保育申込みの申請率が33%の大和市でも、「数年後には40%台になる」と市では見込む。
そのため、現状の保育施設数を維持するだけでは待機児童数ゼロを続けることは難しく、さらなる施設の設置などが求められる。しかし、施設を増やす取り組みについては、担当のほいく課だけでは限界があることから、今回は建築指導課など関係4部署が連携して、設置促進策を行った。
市では「今回のケースのように、市役所内の各部署が横断的に連携し、市全体で保育施設設置の促進策に取り組んでいく」と話している。