渋谷中3年の原田怜君(15)(=中面に人物風土記)がこのほど、第1回モスクワ国際音楽オンラインコンクールでグランプリを受賞した。参加者は演奏動画をオンラインにアップして応募し、8月中旬にウェブ上で結果が発表された。
コンクールは、新型コロナの影響で各国のコンクールが中止や延期となるなか、今年モスクワで創設。ピアノ、弦楽器、管楽器、ギター、声楽のプロフェッショナル部門とアンサンブル部門、アマチュア部門の3部門があり、プロフェッショナル部門は10歳以下のクラスから26歳以上のクラスまで年齢別に6つに分かれている。
原田君は、ピアノで10歳〜14歳クラスに応募、シューマンの『アレグロ ロ短調 Op.8』を演奏し、同クラスの1位になるとともに全部門総合1位のグランプリを獲得した。
演奏動画は今年3月に都内のスタジオで撮影。当初は別のコンクールの予選で使用するつもりだったという。ピアノ講師を務める母、房子さんも機材を持ち込み、5〜6回撮影した中からベストなものを選んだ。
今回のコンクールについて原田君は「いつものコンクールだと、やり切った、うまく弾けたなど弾いたあとの感覚があったまま結果発表があるが、オンラインはそれがないので、結果を見て最初は実感が湧かなかった」と振り返る。演奏については「感情が移り変わる楽曲で、幸せや悲痛などの喜怒哀楽を表現できるよう意識した」と話す。
演奏プログラムは自由曲で、動画サイトYouTubeに演奏動画をアップ。審査員は、モスクワ音楽院准教授のヴィクトル・リャードフさんをはじめ世界で活躍する演奏家が務めている。