市内出身の山口政則さん(58)=写真=が、3月22日付で足柄上郡松田町の松田警察署長に就任した。山口さんは「この地域の治安を預かる身として、地域の方のお力も借りつつ、松田署員が一丸となって詐欺や事故の検挙・抑止に努めていきたい」と意気込んだ。
3人きょうだいの2番目として育った山口さん。小学校の卒業文集に『警察官になる』と書くなど幼少期から警察官にあこがれていた。やがて「将来は人の役に立つ仕事がしたい」との思いが大きくなり、高校卒業後に警察官の道へ進むことを決意した。父親の勧めで小学校1年生から始めた剣道は心身の鍛錬に役立っており、今では教士7段の腕前を誇る。
初任地の横浜・山手署に配属以降、県内各署や県警本部で組織犯罪分析課、暴力団対策課、機動捜査隊などを歴任。中でも、何度も携わったのが「薬物・拳銃」にかかわる事案。過去には噂から張り込みをはじめ、実際に薬物の密売人の検挙につながったこともあった。「薬物は人をダメにするし、暴力団の資金源などにもなる。薬物違反は絶対になくしていかなければ」と、当時からの思いは変わらない。
座右の銘は「継続は力なり」。仕事では辛いことや苦しいことも多いが「続けてきたからこそ今がある。人の役に立てているかは分からないが、感謝されるとやってきてよかったと思える」と笑みがこぼれた。