神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
大和版 公開:2023年8月18日 エリアトップへ

園児のバス置き去り防げ 有志が支援装置を開発

社会

公開:2023年8月18日

  • X
  • LINE
  • hatena
車内に設置された装置を指す鈴木さん(左)と籾山さん
車内に設置された装置を指す鈴木さん(左)と籾山さん

 福田在住の鈴木靖之さん(44)と福田にある「モミヤマ幼稚園」の副園長を務める籾山健さん(33)がこのほど、園児の送迎バス置き去りを防止する支援装置を共同で開発した。園児が犠牲となる事故が全国で起こり国も動き出す中、二人はバス内の検知状況をカメラで撮影し、メールで即時通知する仕組みを考案した。

 職員の数が限られる中、園児がトイレに隠れて見つからなくなったり、バスに取り残される可能性を懸念した籾山さんが、親交のあった鈴木さんに相談を持ちかけたことがきっかけ。鈴木さんの子どもが同園に通っていたこともあり、籾山さんをはじめ、地域の幼稚園が抱えうる課題の解決に乗り出した。

 システム開発やコンサルティングを行う「株式会社ウルヴァニアック」(本社/東京都品川区)の代表を務める鈴木さんは、同社が手がけていた簡易防犯システムの仕組みを利用し、自動検知式の置き去り防止支援装置の開発に着手した。

 同社の社名と「子どもを見守る」という意味を込め「うるまも」と名付けられた装置は、バス内にいる園児の検知状況をカメラで撮影し、メールで同園の職員に即時通知する機能を持つ。

 装置は同園の送迎バスに設置され、実験的に運用を開始。送迎担当の職員やドライバーの意見を反映させながら、装置の精度を高めていった。「バスの外にいる人を検知するなど、精度の向上は苦労の連続だった」と鈴木さんは振り返る。

 こうして、装置の開発から1年が経った昨年、静岡県内の認定こども園で女児がバスに置き去りとなり、熱中症で亡くなる事案が発生した。これを受けて、国は「送迎用バスの安全装置の設置の義務化」「安全装置の仕様に関するガイドラインの作成」などの緊急対策を決定した。

職員の負担軽減に期待

 鈴木さんと籾山さんは実証実験を急ぎ、装置を完成させた。出来上がった装置は、バスのエンジンを止めたおよそ数十秒後にバス内のカメラが、人感センサーやAIによる画像認識機能によって検知を開始し、人が撮影されると即座に職員に画像がメールで送信されるというもの。今年6月には、国が定める安全装置のガイドラインにも適合、認定された。

 今年の7月下旬から送迎バス4台に設置され、本格運用がスタート。籾山さんは「設置によりヒューマンエラーを少しでも排除することができるだけでなく、職員の心理的な負担も軽減されるのでは」と話す。

 同園では、送迎後のバス内を同乗した職員とドライバーが確認し、さらに別の職員が各バスを見回る三重のチェックを行ってきたが、今年9月からは別の職員が見回る工程をなくす方針だ。籾山さんは「装置の設置により、職員の業務負担の軽減にもつなげられたら」と期待している。

大和版のトップニュース最新6

闇バイトへ警戒強化

大和警察署

闇バイトへ警戒強化

「加担する側にならないで」

11月22日

手話を広めて半世紀

双和会

手話を広めて半世紀

12月8日に記念大会

11月22日

「現地決済型」を導入

ふるさと納税

「現地決済型」を導入

「うかい亭」で利用開始

11月15日

全国大会で最優秀賞

大和商工会議所女性会

全国大会で最優秀賞

「コンポスト」事業が評価

11月15日

育休取得7割に迫る

大和市男性職員

育休取得7割に迫る

全国トップクラスの水準

11月8日

酒気帯びにも罰則

改正道交法

酒気帯びにも罰則

自転車の取締強化へ

11月8日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月22日0:00更新

  • 11月8日0:00更新

  • 11月1日0:00更新

大和版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月22日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook