大和市の古谷田力市長は20日、2024年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度より22億円増の871億8千万円(2・6%増)、総額は1572億4692万円(1・5%増)となった。昨年5月に就任した古谷田市長が「幕開け」と位置付けた当初予算案は、26日に開会する市議会定例会に上程され、審議される。
歳入
市税収入は前年度比4億6千万円減の377億1700万円を見込む。個人市民税は国の経済対策による定額減税の影響で、6億9140万円減の163億1480万円。定額減税前の積算では5億2300万円増の387億円で増加傾向を維持するが、対前年度の伸びは縮小。減収分は、地方特例交付金で補てんされる。
扶助費の増加に伴い、国庫支出金は19億9600万円増の189億6300万円。市債は34・4%減の29億7280万円。24年度末の市債残高は23年度末の見込みより27億3551万円少ない546億4422万円となる見通し。
歳出
人件費・扶助費・公債費などの義務的経費が32億2225万円増の510億1952万円(6・7%増)となった。
福祉・子育て等の分野では、不妊治療の先進医療費の助成事業に1375万円を計上した。不妊に悩む夫婦(事実婚を含む)の経済的負担の軽減を図るため、保険診療と併用した先進医療にかかる費用の7割、5万円を上限に助成する。
物価高騰の影響が出る中、安定した学校給食の提供を見据えて食材料費の一部を補助するため、1億4149万円を確保した。中学校の部活動における教員の負担軽減にむけた専門人材の派遣など、休日の部活動の地域移行を進めるため、5299万円を充てる。
安全・安心、街づくりの分野では、大和ゆとりの森で綾瀬市とつながる園路の整備に940万円を計上。小田急線大和駅のホームドア設置の支援に1億43万円を見込む。
その他の分野では、25年度からを計画期間とする新たな総合計画の策定にむけて、272万円を見込んだ。
昨年5月に就任した古谷田市長にとって初となる新年度予算編成となった。市長は25年度からの新たな総合計画に基づいて市政をさらに本格化させる意向。24年度はその「幕開け」と位置づけ、予算案を「古谷田市政開幕予算」と命名した。