一般社団法人「大和綾瀬歯科医師会」(森基孫会長)は2月22日、通院が困難な要介護・高齢者を対象にした予約制の診療を大和歯科診療所(深見西2の1の25)で新たに開始した。社会の高齢化・長寿化を背景に、時代のニーズに応えた歯科診療を提供するため、同会では診療所の全面バリアフリー化工事を行うなど、準備を進めていた。
大和歯科診療所が入る大和綾瀬歯科医師会館は、昨年8〜11月、県の助成金を受け、市と協議を重ねながら全面改修が実施された。この日から始まった要介護・高齢者歯科の新事業を見据えた改修で、会館の入口にはスロープが設置された。
診療は月2回で保険診療が行われる。介護保険の認定を受けている人、認定は受けていないが徒歩での通院が難しい人などが対象で大和市民をはじめ、市外からの診療も受け付ける。継続した通院も可能だ。
診療所には歯科医師や歯科衛生士のほか、歯科麻酔専門医も常駐し、在宅診療や一般の外来診療では対応が難しい診療を担う。同会の担当者は「もし心疾患のある方が診療中に容態が急変しても、麻酔医が迅速に対応できる」とメリットを挙げる。今後、同会では診療機器や材料の整備を進めていく。
22日午前10時、県内に暮らす田中節子さん(84)は、家族が押す車いすに乗って診療所にやって来た。
過去に脳梗塞を患ったことがある田中さんはこの日、同会の医師らによる診察を受けた。診察を終え「入口には段差がなく無理なく入ることができた」と田中さん。「設備も充実していて、私にとっては大変心強い」と話していた。
同会の森会長はこの日から始まった診療を「市民のためになる重要な新事業だと考えている」と説明する。同会では要介護・高齢者診療を従来の休日歯科診療などと同じように、主軸の事業として継続していく方針だ。
診療は第2・4木曜日。午前9時〜午後1時。予約は大和綾瀬歯科医師会在宅歯科医療地域連携室【電話】046・263・0686。