中国大陸から日本列島に飛来するとされる微小粒子状物質「PM2・5」への関心がにわかに高まっている。今月8日には環境省が、自治体による注意喚起の基準作りに着手することが報道された。大和市内の現状を調べた。
日本国内では、各都道府県に大気の汚染の常時監視を義務付けられている。
これに基づき神奈川県では、大気汚染状況を把握するための測定局を県内17カ所に設置。そのうちの一つを大和市役所本庁舎の敷地内に設置している。
測定局では環境基本法で測定が義務付けられている二酸化硫黄、一酸化窒素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、光化学オキシダント、PM2・5の6種類の物質が自動測定されている。
PM2・5は、大気中に浮遊する粒子状の物質のうち、粒の直径が2・5マイクロメートル(㎛)以下の微小物質の総称。
工場や自動車などから排出されるPM2・5は、髪の毛の40分の1、スギ花粉の12分の1の小ささで、肺の奥まで入り込みやすく水に溶けない性質のため、呼吸器や循環器への疾病など健康への被害が懸念される。
神奈川県環境農政局大気水質課によると、PM2・5の環境基準は1日の平均値が1立方メートル当たり35マイクログラム(μg)で、測定を始めた2012年4月以降で基準値を上回った日はない。今後について同課では「測定結果と国の動向に注視しながら必要な周知方法などを検討していく」としている。
大和市での今年1月の1日当たりの平均値は3・1〜20・4㎍で、基準値を上回った日はない。大和市生活環境保全課では「市としての特別な対応は考えていない」としている。
県内観測局での測定結果は「神奈川県環境科学センター」のホームページ(http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/center/)で公表されている。