大和の郷士史を研究し、市民に伝えている 鎌田 幸雄さん 中央林間在住 72歳
やるからには全力で
○…「皆さんもよく知っている場所が、実は歴史で重要な意味を持っていたんです」。大和市の地図を広げ、熱をもって語りかける。8年前から中央林間コミセンや林間学習センターで開かれている歴史講座で市民講師を務める。江戸時代を中心に大和の郷士史を伝え続け、講座には毎回80人以上が詰めかける人気ぶり。「タイムスリップ感覚を一緒に楽しんでくれたらうれしいね」
〇…11年前、中央林間駅の案内版に描かれた「星ノ谷道」という名前が目にとまった。大和市の公所から座間市の星谷寺を結ぶ巡礼街道。「この道を辿りたい」と思い立ち、地図とカメラを手に歩みを進めた。石塔を見つけては、図書館で書物をあさり、縁のある子孫がいるとわかるとその家を訪ねた。「歴史と照らし合わせていく快感は言葉にならない」。気付けば、講演依頼も増えていた。「こんな面白いこと、ひとりじゃもったいない」と笑顔。興味の範囲は石器時代にまで及び、情熱はつきない。
〇…横浜市出身。大学卒業後に家電の専門紙「電波新聞社」に就職。営業として各地を担当するうちに、人当りの良さで”特ダネ”をつかみ記者としても活躍した。その手腕を買われ、自動車部品会社の幹部候補にもなったが、28歳で友人が経営する印刷会社にヘッドハンティングされた。「頼まれると断れない。やるからには手は抜かない」。新規を掘り起し、トップ営業マンとして30年走り続けた。「やることは全部やった」と60歳でスッパリと引退。
〇…奥様と息子さんの3人暮らし。近くには娘夫婦も住み4人の孫に囲まれて幸せな日々。趣味のテニスは50年続けており、3つのクラブを掛け持ちするほど。民生委員なども任され、絶えず気配りを忘れない人柄に信頼も厚い。息抜きは地域の仲間たちの旅行。会社員時代に培った「接待カラオケ」で盛り上げる。「仲間がいるから毎日が楽しいですよ」と微笑んだ。
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