あやせ国際フェスティバル実行委員長 赤瀬 亮一さん 綾瀬市綾西在住 73歳
”よそもの”なくせば平和
○…国境を越えてお互いを理解しあって、お互いが自信を持ち合える。そこには小さな「平和社会」がある。「少しでも役に立てたら。皆そんな気持ちでやっていますよ」。第1回のスピーチ大会に参加してから、2回目以降は裏方としてずっと手伝い続けている。
○…「文化の中核は言葉」。会社員時代、通信技術の海外研修担当としてグローバルな仕事にまい進した。大学時代に培った語学力でドイツ語や英語を中心に国内で外国企業に技術を紹介するほか、ブラジルの技術センターでも技術指導。懐かしい青い高い空を思い出す。センター内は英語で通ることも、日常生活ではポルトガル語中心。スーパーのレジで毎回顔を合わせる若い男性がいつも何かを話しかけてきた。何を言っているのか分からなくて会釈していたが、偶然隣に居合わせた日系人の通訳で、初めて知った。「『空き瓶を持ってくれば値引きできる』と言っているよ」。言葉で理解しなければ、「私はずっとよそ者のまま。文化に溶け込めなかった」。今度は自分が言葉で人を繋ぐ。そうして役立ちたい。
○…綾西地区では「ライフスタイルを考える会」のメンバーとして活動。メインになっているのが「戦後を語り継ぐ会」。戦争体験を聞き、幸せな時代しか知らない世代に、今ある平和の尊さを感じてもらいたい。自身も疎開の経験がある。「私はご飯も食べられたから幸せだった方」。それでもやっぱり、知らない土地に子ども一人で行って、馴染めない暮らしは辛かった。
○…市内には約3000人の外国人登録者がおり、困っている人も多い。つい先日もベトナム人女性が出産するための病院探しにメンバーが奔走した。保険に入っているか、説明を理解できるかなど、リスクが多くあまり容易に受け入れてもらえない現状がある。「書類の書き方やトラブル時の対処など、私たちの常識は独自の文化なんです」。優しく力強い言葉が染みた。
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