海老名市は東日本大震災の際、燃料調達に苦慮したことを教訓に11月末までに「燃料備蓄計画」を策定し、ガソリンや軽油、灯油を独自に備蓄する方針を明らかにした。市内今里の休止中のガソリンスタンドを買収する計画で、来年2月末までの稼働を目指す。
市は県石油商業組合高座支部海老名部会との間で災害時に、燃料供給を受ける協定を結んでいる。しかし首都圏が被災地となった場合、十分な供給がなされないことを懸念し、震災直後から独自の備蓄策を検討していた。
今回、市が買収計画を発表した今里のガソリンスタンドは今年9月から営業を休止している施設。消防の出張所と位置づけ整備される計画で、事業費は買収・整備費などを含め約1億8千万円。市消防本部によると同規模の施設をゼロから整備すれば、3億円前後の費用を要するという。
基幹病院の側面支援も
備蓄量に関しては、市役所や消防関連施設、避難所運営、公用車での利用に加え、市内の4つの基幹病院における非常電源発電機に使う燃料支援も想定し試算した。
その結果、基幹病院への支援3日分を含め、災害時に最低限必要な燃料を算出。タンクにはガソリン2万リットル、軽油4万リットル、灯油2万リットルを備蓄する予定。
また長期にわたり備蓄することで燃料の品質が劣化する恐れがあるため、災害時以外には、消防車両を含む公用車145台分の給油をこの施設で行う。
同市危機管理課によると、消防車両など緊急車両用の給油施設を持つ市は県内にもあるが、ガソリンスタンドを買収し、独自に燃料を備蓄する例は全国的に見ても珍しいという。
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