いよいよ、きょう開会となる「ラグビーW杯2019」。アジア初となる日本大会では、どのようなドラマが生まれるのかが見物だ。日本の初戦は、海老名市を公認キャンプ地とする「ロシア」代表との一戦。市内めぐみ町の海老名駅駅間地区の芝生広場で、大型ビジョンが設営され「パブリックビューイング」が催される。本紙ではラグビーの魅力を伝えようと、市内のラグビーに携わる人を紹介。今回は、30年以上にわたり、子どもたちに指導を行っている「(一社)海老名ラグビースクール」の代表理事校長・武田小三郎さんと、東京の強豪校でラグビー精神を醸成した市内中央にある飲食店「グランサッソ」の代表を務める奥村将さんの2人だ。
「人間力」育ての場
北海道の生まれ育ち。幼い頃からスキーやスケート、ハンドボールで体を鍛えた後、社会人になってから同僚に誘われ、ラグビーに携わることに。結婚を機に海老名に来ると、息子が小学生にあがる際に「海老名ラグビースクール」へと入会。同時期に”お父さんコーチ”として自身も指導に加わることになった。
現在は同団体の代表であると同時に、海老名市ラグビーフットボール協会の会長も務めている。一生に一度といわれる日本でのW杯開催、そして海老名を公認キャンプ地とするロシア代表の歓迎など、ラグビー普及の活動に力を尽くしている。
スクールの卒業生は大学や社会人リーグ、またはラグビー指導者としても活躍する生徒もいる。その土台となる育成方針は”ハートを育てる”こと。中でも仲間たちを大切にする気持ちと、他人のせいにしない責任力の向上にはゆるがない信念を持つ。「小学生から中学生までの9年間で教えられることは多くない。伝えるのはラグビーの技術よりも『人間力』。教え子が大人になって、子どもを連れてきてくれるのは嬉しい。成長を見るのが楽しくて辞められないですね」と表情を輝かせる。大切なのは”ONE FOR ALL ALL FOR ONE”。
悔しさをバネに
恵まれた体格で運動神経も抜群、何よりも”勝気な心”を持っていた奥村さんに火をつけたのがラグビーだった。出会いは中学の時に兄の試合に観に行ったこと。「どーせやるなら一番のところ」と、選んだ道が東京都代表の常連校・大東文化大学第一高校だ。
合宿に出れば20泊以上は当たり前。1つ上の世代は全国優勝、自身の代も花園切符を手に入れ、ベスト16と輝かしい成績を収めてきた。結果とは裏腹に、奥村さんが体験したのは”大きな挫折”。「実力では負けていない」。そう思いながらも、ケガなどを理由に大舞台での出場は叶わなかった。
友人たちは大学・社会人になってからもトッププレーヤーとして活躍。負けず嫌いの性格から「嬉しい反面、非常に悔しい思いもあった。オレも何かやらないといけない」と、25歳のときにイタリアンレストラン「グランサッソ」を開店させた。
創業25年となる同店にはラグビー仲間だけでなく、様々な人が集まるようになった。同じ釜の飯を食べたら仲間。戦いが終われば、互いを尊重し合う”ノーサイドの精神”は今も変わらないという。「楕円形のボールはどこに転がるか分からない。最後まで諦めずにやることを学びました」と真剣な眼差しで話した。
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