綾瀬市の畜産農家とその後継者ら7人がこのほど、牛、豚、畜、鶏などの畜産振興と農業振興をめざす株式会社を設立した。綾瀬市が2022年度に開業する「道の駅」の指定管理者をめざし、社名を「株式会社あやせ道の駅」とした。
この会社は同市吉岡で「高座豚」を生産する志澤勝さん(76)と、同市上土棚中で「かながわ鶏」を生産する鈴木光雄さん(70)ら市内の畜産農家4戸7人が資本金1千万円を出資して設立した。鈴木さんが代表取締役に就いた。
志澤さんと鈴木さんは旧知の中で、肉や卵の生産から加工、販売まで手掛けている。志澤さんは「高座豚手造りハム」、鈴木さんは「鈴保養鶏園」を営む経営者で、行政とも協力関係にある。
70歳を超えたこの二人が新会社を設立した背景には、市内畜産業界の衰退がある。志澤さんによると1986年に65戸あった畜産農家は12戸まで減少。後継者がいない農家も少なくない。その傾向は都市型農業を支える綾瀬市内の農家も同様という。
そうした状況のなか最も規制が強い農業振興地域に囲まれた場所に本庁舎を構える綾瀬市は、庁舎北側に隣接する農用地約1ヘクタールを取得して畜産振興施設を併設する「道の駅」の整備計画を策定し、今年度は用地買収と実施設計、指定管理者選定に約7億円の予算を確保した。
鈴木さんは「生産から加工・販売のノウハウを持つ地元の畜産業界であれば『肉の駅』のようなインパクトも生み出せる」と話す。志澤さんは「道の駅予定地の南側には広大な畑が広がっている。この一帯も視野に入れた施設にしたい」と意欲を示している。
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