綾瀬市深谷中の市民文化センター駐車場で市が整備を進めている防災トイレが完成間近となり、市が10月末までの供用開始をめざしている。
整備が進む防災トイレは、災害時の車による車中泊避難への備えと、市内に32か所ある避難所の密対策を目的に今年5月に工事が始まった。事業費の5875万円は全額、国の地方創生臨時交付金を活用する、新型コロナ対策の一環として昨年末の市議会定例会で予算案が可決された。
2016年の熊本地震の災害対応で派遣された職員の報告をもとに防災トイレの設置に向けた検討が始まった。19年10月に東日本を中心に甚大な被害を及ぼした台風19号では、開設した避難所へ車で向かう市民が集中し、同センターにある高齢者福祉会館を急きょ避難所として開設した。
この教訓があと押して約170台の乗用車が収容できる市民文化センター駐車場を車中泊施設とする方針が決まり、24時間利用できる防災トイレの設置を進めた。
防災トイレの敷地面積は約267平方メートル。男性用と女性用のトイレのほか障がい者用の多機能トイレを設ける建屋と、災害時にふたを外して便器と囲いを取り付けて、排泄物を下水道管に直接流す「マンホールトイレ」を10基、屋外の地面に設置する。
市危機管理課は「鉄道の駅がない綾瀬市では車が主要な交通手段となっている。車中泊対策としてエコノミークラス症候群を防ぐストッキングや簡易トイレなど物資の備蓄も進めている」と話す。防災トイレの設置を機に、車での避難や車中泊ついて啓発を強化することにしている。
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