事業用地の取得を断念した綾瀬市の「道の駅」整備事業で、古塩政由市長は10日、新たな事業計画案を2022年度中に示す考えを明らかにした。新たな候補地のめどはたっていないが事業は推進する考え。12月定例会で武藤俊宏市議の一般質問に答えた。
検証を求める指摘も
道の駅整備事業は2016年に始まり、20年度までに施設建設に向けた基本設計を終えていた。
建設用地は東名高速道路上下線の綾瀬スマートインターチェンジに接続する県道42号(藤沢座間厚木線)沿いにある農地約1万900平方メートルを取得し、実施設計と指定管理者の選定を今年度に予定していた。
ところが今年5月、用地取得に向けた地歴調査などから、予定地の一部に建築資材などの埋設物があることが判明し、11月に事業用地取得を断念する方針を固めた。
用地取得の断念を決めた理由を尋ねた武藤氏の質問に古塩市長は「埋設物の除去が必要となった場合に多額の費用が想定される。埋設物の分析調査を進めれば現状の土地利用を侵害することになりかねない」と説明。「断腸の思いで見直しを決定した」と述べた。
その上で古塩市長は「道の駅事業は綾瀬市総合計画2030の戦略プロジェクトに位置付け、将来に向けた持続可能なまちづくりにおいても欠かすことのできない事業」と、必要性を強調。「魅力ある道の駅の建設をめざし来年度中には新たな事業計画案を提案させていただきたい」との考えを示した。
1億300万円
この日の一般質問では、2016年度からの道の駅整備の事業費が、20年度までに約1億300万円に及んでいることが明らかになった。その上で武藤氏は「これまでにでた課題の総括と検証を踏まえ、より良い道の駅を目指してほしい」と、くぎをさした。
道の駅整備の目的について市は「道路利用者への安全で快適な道路交通環境を提供する」道の駅がもつ本来の目的のほか、地場農畜産物の高収益化と地域経済の活性化による「賑わい創出と交流人口増加」をめざす方針を改めて説明。「市内産業の活性化、賑わい創出の起爆剤として欠かすことのできない施設」と強調した。
これまでの5年間ででた課題として「県との交通協議に時間を要した点」をあげ、「これまでの設計業務など可能な限り応用する」と、事業継続に意欲を示した。
新たに選定へ
今後の候補地選定につても触れ、16年度に選定した5カ所の候補地にはこだわらず白紙の状態で新たに選定し「一定水準が求められる道の駅の登録をめざす」とした。
課題の総括とこれまでの検証を求めた武藤氏は「めざす方向への熱意は感じる。財政負担や運営なども精査してより良い道の駅をめざしてほしい。いずれにしても起爆剤として必要な施設だ」と、今後の整備に期待を寄せた。
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