第58回神奈川県美術展の書の部門で大賞を受賞した 上田 昌子さん 海老名市中央在住 38歳
しなやかな発想で楽しく
○…昨年に続く2度目の挑戦で、大賞に選出された。作品は育児や家事など日常生活の中で、楽しみながら仕上げたもの。4歳の息子が好きな鉄道と書をコラボさせた。敷居の高いイメージが根強く映る書道界において、制作過程で半信半疑にもなったが「楽しくて、すんなり形にできました」と笑う。受賞の知らせは「ドッキリかと思った」としたが、周囲から届く祝福の言葉に胸をときめかせた。
○…熊本市出身。幼少期から、外で遊ぶよりも家の中で過ごすことを好み、今も「インドア派」。書道を始めたのは小学1年の時で、当時は習いごとの一つ。転校で環境が変わっても「人見知りのない性格」と指導者にも恵まれて夢中になった。将来を考える年頃に、書道を教える高校教員になりたいと、大学に進学して上京。夢は叶わなかったが、大学時代の恩師が所属する書道団体「書道香瓔会」に入会し、今なお教えを受けている。
○…結婚を機に、夫の転勤に伴って8年前に海老名市に移り住んだ。鉄道に興味を抱いた息子の影響で、自宅には車両を紹介する絵本がずらり。海老名駅は3線の車両が見られる定番の散歩コースで自身も鉄道に詳しくなり「すっかりママ鉄です」と笑う。一方で一途に書道に打ち込めるのは「普段から協力してくれる夫がいてくれるから」と感謝を惜しまない。
○…30年近い書道歴の中で日展入選といった実績を残した一方、「地域へ貢献してみたい」という考えも芽生えてきた。子ども達に習字に親しんで欲しいといい、「名前だけでもキレイな字で書いてもらえたら」と語る。伝統や形式は大切とした上で「決められた枠組の中である程度の自由な発想も今後の発展に必要では」と考えている。
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