座間総合病院(渡潤病院長)は、在日米陸軍キャンプ座間から派遣された医療通訳者が常駐する「シビリアン・ヘルスケア・ナビゲーター・プログラム」を10月2日から開始した。プログラムは、キャンプ座間の民間人に限定して医療サポートを提供するもの。予約受付や診察、会計といった受診行動だけでなく、医師と患者の意思疎通を円滑にする役割も果たす。
プログラムの開始にあたり、同病院1階フロアには医療通訳トレーニングを受けたスタッフが配置された専用スペースが設けられた。
医療通訳者として配属されたのは杉本麻衣さん(人物風土記で紹介)、与那覇美重子さん、深田幸子さん、阿久津希美さん。4人はいずれも国内や米国で看護師や医療通訳者として従事した経験を持ち、月曜日から金曜日まで常駐している。
キャンプ座間の医療体制は1施設の医務室で提供されており、医師や看護師の不足から軍に所属する隊員とその家族だけが利用できる状況にある。キャンプ内の事務運営や養育、商業分野などに従事する米国籍を持つ民間人約2千人は、敷地外にある近隣医療機関での受診を余儀なくされている。診察には症状を上手く伝えられない、医師の説明を十分に理解できないといった問題に直面しており、十分な医療を受けられないケースが発生していたという。
同病院はキャンプ座間の一部返還地に建設されたこともあり、院内で軍楽隊コンサートを行うなど良好な関係が築かれていた。そのためプログラム開始の準備は急ピッチで進められた。今年7月に渡病院長と在日米陸軍のジョンソン大佐による実施に向けた締結式が行われると、わずか3カ月で実現した。
渡病院長は「キャンプ座間の皆さんの熱意を感じた」とこれまでを振り返り、「皆さんが安心して暮らせる環境づくりの一助を担えることを光栄に思います」と話した。
一方、ジョンソン大佐は「民間人とその家族の受診機会が大きく改善されました。今後も素晴らしい協力体制を継続していきましょう」と感謝の意を示していた。
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