綾瀬市の古塩政由市長(73)が7月24日に2期目の任期満了を迎え、退任する。本紙では、市長選挙後の7月10日に古塩市長を取材して、現在の心境などを聞いた(聞き手/タウンニュース社・県央支社 宇佐美真)。
――2期8年を振り返って
何かを建設したりといった派手な事業よりも、福祉と教育を充実させたいという思いが就任当初から常にあった。家庭の事情で塾に行けない子どもたちへの支援策が最後(今年度)に実現できてよかった。私はもともと自民党の支援を受けて当選したが福祉や教育に力を入れてきた。そのため意図せずに、場合によっては野党受けする政策に結果が偏ったように見られた部分があったと思う。
――引退はいつ決めた
去年の秋には決めていた。厚木高校の同窓会があった日に帰りのタクシーの中で、親しい人に話した。
――市長選の結果をどう受け止めた
相談にこられた人には「頑張ってほしい」と伝えた。選挙戦を通じて各候補の政策や主張にふれ、あらためて好感をもった人もいた。当選した橘川さんには、自分の考えに基づいてやってもらいたい。
――今後の市政に託したいこと
職員の半数は10年未満の若い職員。この人たちがどのような経験を積むかが今後の綾瀬市にとって大切になると思う。私は比較的、自由にやってもらうタイプだったと思うが、振り返ると、人材育成の機会がもう少し必要だったとも思う。
――奥様の久美子さんにひとこと
市役所の外に参謀がいなかった自分は女房に色々なことを話し、聞いてもらっていた。一番の参謀だったかもしれない。綾瀬に全くなじみのなかった人が突然、市長の奥さんになり苦労もあったと思う。
――退任後は何をする
何も決まっていない。自由って結構、怖いものだね。時間や行動に制約が多く、自由になりたいと思うこともあったが、いざ自由となると今は少し不安な気持ちも出てきた。まずは旅行にでも行くところから始めようと思う。大学を出て県庁から市役所まで47年間ずっと公務員だったので、これからは自由と上手に付き合いたいと思う。
古塩市長は7月24日午後0時20分に職員や支持者らの見送りを受けて市役所をあとにする予定。
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