小田急電鉄(株)が海老名駅横のビナガーデンズパーチ隣で、温泉掘削を進めている。「ウェルネス」などのコンセプトに沿った事業で7月から始まった掘削は深さ600mに達した。11月まで工事が行われる。
公式「X」で進ちょく発信
小田急電鉄(株)の海老名の担当部署による公式「X」が注目を集めたのは7月上旬。現場で安全祈願祭が行われ、ボーリングマシンが回転し始めたと投稿された。
ビナガーデンズは2019年と20年に31階建てタワーマンションが相次いで完成。22年にはビナガーデンズパーチが竣工した。温泉掘削の現場はその隣にあるものの、公式発表はなかった。
同社によると深さ1500mの掘削許可を受けて専門業者が施工しており、掘削した穴が崩れないように金属のパイプを溶接でつなげながら挿入している。深さは8月下旬に600mに到達。今後も掘り進めるという。
この事業はビナガーデンズパーチのコンセプト「ウェルネス」などに関連づけ、地域の価値を高めようと着手したもの。掘削の途上という事もあり、同社では「温浴施設になるかどうかも含めて未定」としている。
大深度掘ると40〜50度の湯
温泉といえば箱根や厚木などが知られるが、火山の熱による温泉と、長い年月でしみ込んだ地下水や海水などが地温で温められる温泉がある。
県温泉地学研究所(小田原市)によると「おおむね100mを掘ると2〜3度ほど温度が上がり、深さにもよるが帯水層や岩盤の亀裂などに溜まる傾向にある」。
同研究所の調査によれば、1500m程度で40〜50度程度になり、汲み上げられるまでに若干温度が下がるという。千m以深のいわゆる「大深度」温泉は近隣にも海老名市柏ケ谷や座間市広野台にあり、民間温浴施設で利用されている。
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