任期満了に伴う座間市長選挙が9月22日に投開票され、現職の佐藤弥斗氏(54)が元市議会議長の沖本浩二氏(64)を退けて再選を果たした。投票率は1971年の市制施行以降の市長選で最低の40・82%で、前回(20年)を4・18ポイント下回った。
今回の市長選は、現職の佐藤氏が5月に再選出馬を表明。「関係人口を増やす施策を強化したい」と、2期目に意欲を示した。7月には市議5期目で議長経験者の沖本氏が、「現市政の政策決定プロセスに違和感がある」と指摘して、立候補を表明。自民党の芥川薫県議や市議会最大会派「自民党・いさま」の市議らが前面に立って支援した。
「待機児童解消を」
佐藤氏は、駅頭立ちのほか自転車で市内を回る草の根運動で選挙戦を展開。子育てや教育など日常の暮らしを守る政策と4年間の実績を訴え、2期目の市政継続を「新たなステージ」と位置づけ支持を広げた。
開票が進むなか、当選確実の報道を受けた午後10時40分過ぎに小松原の特設会場に入り、集まった支持者らと抱き合い喜びを分かち合い、「一人ひとりの気持ちと期待に応え、共創のまちづくりに取り組みたい」と2期目の抱負を語った。
勝因については、「4年間積み重ねたものを市民が見ていてくれた」とし、待機児童の解消に向けた小規模保育施設の開設や幼稚園の子ども園移行などに優先して取り組む考えを示した。
家庭では義父母と暮らし4人の子を育て、3人の孫がいる。市議初当選後の2007年に元市議の夫・浩章さんを病気で亡くした。生前、「市民が主役。みんなの街はみんなでつくる」と、夢を語り合った。「これから2歩目だよ、と報告したい」と語った。
「精一杯やった」
市議を辞し、勤務先の日産自動車も退職し、退路を断って市長選に挑んだ沖本氏は、小田急相模原駅前ペデストリアンデッキ整備の凍結を引き合いに、「国・県との連携による公共事業推進」を標榜。小学校給食の無償化も訴えたが現職には及ばなかった。
午後11時過ぎ、事務所に入った沖本氏は支援者を前に、「期待に応えられず申し訳ない。結果はしっかりと受け止めなければならい」などと述べて頭を下げた=写真。「手応えはあった。短期間で精一杯やりきったが有権者への理解が広がらなかった」と述べた。
再選を果たした佐藤氏の2期目の任期は、10月1日から2028年9月30日までの4年間。1期目で積み残した待機児童の解消など喫緊の課題と向き合うことになる。
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