海老名市の特別養護老人ホーム「シェ・モア」(諏訪量施設長)が、県主催の「かながわベスト介護セレクト20」を受賞した。11月2日、横浜市の新都市ホールで黒岩祐治県知事から表彰を受けた。
この賞は介護業界におけるサービスの質向上や人材育成、処遇改善に成果をあげている事業所を表彰するもの。介護に頑張る事業所を応援する県独自の取り組みで、2016年から実施。訪問や通所、居住、入所系サービスを提供する介護事業所が対象で、20事業所が受賞した。
同施設は海老名市内で特別養護老人ホームのほか、保育園を展開する社会福祉法人ケアネット(海老名市・谷口佳浩理事長)の運営で06年に開所。同施設は入居者の満足度向上をめざし、人材教育の充実と労働環境の改善を一体的に取り組んでいると評価された。
諏訪施設長は受賞について「職員の処遇が良くないと質の高いサービスは提供できないと考えています。職員全員の努力が認められて嬉しく思います」と話した。
環境改善に注力
同施設は人材教育に、勤務時間内に短時間で受講できるeラーニングを導入。職員62人が業務に役立つ知識を効率的に学べる環境を整えている。
労働環境の改善は、パソコンで管理する介護記録を導入し、1日2回行われていた職員間の申し送りを廃止に。職員のワークライフバランスも重視し、人員配置シフトの見直しも図った。10年前は5通りだったシフトは20通りまで増え、残業時間は月平均2時間以下に抑えた。
職員の小林亜美(つぐみ)さん(46)は「気持ちに余裕が持てると仕事への意欲も向上し、良いサービスの提供につながっていると思う」と話す。諏訪施設長は今後について「介護用品の充実や職員の休憩室の環境を整えたい」と話していた。
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