食品衛生事業功労者厚生労働大臣表彰を受賞した 瀬川 清光さん 座間市小松原在住 74歳
食に尽くして半世紀
○…26年間に及ぶ食品衛生指導員の活動が認められ「食品衛生事業功労者厚生労働大臣表彰」を受賞した。活動を始めたきっかけは、座間そば商組合の組合長に就任したことだった。「受けた以上はちゃんとやらないと意味がない」と指導員の講習会には欠かさず出席した。今回の受賞を最初に報告したのは、2年前に他界した妻の洋子さん。表彰式には写真を持参した。「家族でもらった賞だから」と微笑む。
○…滋賀県東部の旧蒲生町出身。幼少期は終戦直後で、食べるのが困難な時代だった。「多くの人のおなかをいっぱいにしたい」という思いから料理の道に進んだ。中学卒業後に、そば店を営む叔父夫婦を頼り東京の大田区へ。住み込みでの修行に明け暮れた。
○…上京から2年後、そば店の移転に伴い、座間にやってきた。当時は工場も多く、出前の注文が多かったという。昼には配達、夕方には食器の回収と、食事もとらずに砂利道を自転車で何度も往復もした。下積みの中でも勉強は欠かさず、32歳で調理師免許を取得。「失敗してもいいから、一度店をやってみな」という女将さんからの助言を受け、34歳で小松原に「朝日屋」を開店した。
○…毎朝7時に出汁を取り、自家製そばを打つことから一日が始まる。昼の混雑を乗り越え、夕方からは夜営業。ひと段落するのは午後11時ごろ。「大変だけど、地元の方が使ってくれるから」と店の灯をともし続けてきた。26年間の組合長の任期中に、加盟店舗数は22店から11店に半減。多くのそば店は後継者不足で、「仕方ない」とは思いつつ、「本当はさみしい」という本音も。今は息子の清次さんと二人三脚。座間からそば店の灯を消すまいと今日もそばを打つ。かき入れ時の12月はすぐそこ。
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