「神奈川がんばる企業2024エース」に認定された(有)共栄車輌サービスの代表を務める 田村 俊一さん 海老名市門沢橋在住 55歳
小さくとも輝く星に
○…営業所には緑色のトラックが整然と並ぶ。自社内に燃料タンクを設置するなどしてコストを削り従業員の労働環境改善につなげた事が評価された。名刺には「がんばる企業エース」のロゴを入れ、仕事を通じてモデル事例を発信してゆく。「自分たちには過ぎた賞かもしれませんが、認定企業として恥じない企業にしたい」と意気込む。
○…大学卒業後に父の会社に就職。外車などの中古車を大型輸送車で運ぶ仕事で、初めてハンドルを握った時は視線の高さに驚いたという。10年間各地を走った後、営業畑へ。3年前に創業者の父が急逝し社長に就任した。悲しむ余裕はなかった。経営状況を調べると会社は債務超過で、それからのことは「助けられ助けられ、助けられた」と目を細める。金融機関の助力や、ともに働く弟がここぞとばかりに営業力を発揮し会社は「Ⅴ字以上の」回復を遂げた。
○…県央地域は東名や圏央道もあり遠方への中継地点としても申し分ない。今後は車両修繕といった関連事業のほか、商業施設を創る夢がある。災害時は自家発電でき、かまどベンチやマンホールトイレも立ち上げ、地域住民が安心して過ごせる――事業を育てる理由は使命感から。「社員には死ぬまで付き合って、と言ってきた。みんないつかは運転を卒業する齢になる。その後の仕事も作らないと」
○…中学生の頃から趣味はヘラブナ釣り。相模川などに通い、35歳の時にはスポーツ紙の大会で優勝したことも。相手は魚。何を考えているか分からず、釣り糸をたらすスピードや餌の柔らかさひとつでそっぽを向かれる。「駆け引きが繊細で、その分あの引き味がたまりません」と笑う。仮説とともに戦略を立てて竿を握る。オフでも挑む姿勢は変わらない。
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