12月22日にタウンヒルズで特別開院、「おもちゃの病院あやせ」で会長を務める 小室 圭一さん 綾瀬市落合南在住 63歳
大切にする心 育て
○…「動かない」と持ち込まれるのは、小さな電車や動くぬいぐるみなど様々。強く抱きしめられたり、何度も遊べば痛むもの。エプロン姿で「治療」し、再び動き出した時の子どもの笑顔がたまらない。すぐ治せない時は「入院」してもらう。「おもちゃと離れるのを嫌がったり、連れて帰ろうとする子もいてね」。大切にする姿がこれまた胸にぐっとくる。
○…ずっしりとした愛用の工具箱には、電流テスターや細かいねじ、モーターがぎっしり。自宅でも家電や建具も直す。小学生の頃から機械いじりが好きで父の腕時計をいくつも分解した。「元に戻せなかったけど、今時のクォーツより、ゼンマイの方が面白かった」と腕を組む。おもちゃも昔のほうが頑丈だった。軽量化かコスト削減か肉薄な部品によく出会う。
○…東京都日野市出身で高校を卒業後に海上自衛隊へ。厚木基地から飛びたつ哨戒機に30年以上乗り、すぐ任務につけるよう綾瀬市に移住。遠い大海原で警戒活動にあたり、離島の人命救助などにも携わった。帰着時に富士山や綾瀬の大地が目に入り、ほっとする日々。退官後におもちゃの病院を知り、会場を見学してすぐに志願した。単純にこわれたおもちゃを見て、「かわいそう」と感じたという。
○…高校時代からハンドボールを続け、今も人知れず壁にボールを投げて腕を磨く。マスターズやシニアの全国大会に挑戦するのは、勝敗より、もっぱら仲間の安否確認のため。おもちゃドクターたちも平均年齢が75歳を超え、メンバーでは最年少。「耳が遠くて話し合うと大声になる」。ドクターとしての使命を胸に年内最後の診察に取り組む。今後の目標を聞くと「もっと人生楽しく」と軽やか。
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