中央農業高校(上治正美校長)の卒業生9人がこのほど、自身らが高校時代に生活した「啓明寮」の池の石組を再利用し、枯山水風の庭園を造った。
啓明寮は昭和42年から平成7年まで同校の1年生全生徒が寝食を共にした。この寄宿舎の庭に池が造られたのが昭和50年。この池の石組が今回完成した庭園に再利用された。
新たな給食センターとなる「食の創造館(仮称)」の建設着工をきっかけに、池の石組の再利用計画が浮上。かつて同校の教壇に立っていた滝本隆雄さんが学校からの要請を受け、当時、造園科で滝本さんの元で指導を受けた教え子らが集まり、ひと肌脱いだ。
使われなくなった樹木園を利用して、新しくできる植物観察園の斜面に作庭された庭は長さ約30m、幅8m。滝や登竜門に見立てた鯉魚石を配した滝石組みから四季をイメージした4段の滝を下り、池に流れるように設計されている。子孫繁栄や豊作を祈願する陰陽石など、存在に意味を持つ役石が並べられ、実物大の教科書になっている。
最年長の教え子である宮代智臣さん(67歳)は「自分たちの育った寮には想いがあるので参加できたことが嬉しい。将来を担う子どもたちの役に立ててもらえれば」と話していた。
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