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取材協力/海老名総合病院 医療レポート 整形外科の救急外傷について 整形外科医長 永井秀明
2008(平成20)年に民間では県内初の地域支援病院の認定を受け、海老名市をはじめとした綾瀬、座間の県央域において、地域の中核的な急性期病院としての役割を担う海老名総合病院。今回は2010年に内山喜一郎病院長が掲げた「断らない救急」のスローガンのもと手術・診療に当たる整形外科チームに話を聞いた。
「断らない救急」の徹底で受け入れ強化
――整形外科チームについてお聞かせ下さい。
整形外科チームの医師は2011年夏から1名加わり、常勤医4名と非常勤医師1名の5名です。メンバーは整形外科疾患にオールマイティーの重鎮・吉川浩二整形外科部長をはじめ、すでにベテランの域に達した長瀬清弘医師、大学からのローテーション医師、葉梨整形外科(柏ヶ谷)の葉梨大輔医師(手の外科専門)と8月から加わった、整形救急外傷に従事してきた永井です。
――整形外科では
当科は整形外傷・骨折のほか、骨や筋、神経、関節、じん帯など運動器の疾患を診ています。2010年に内山院長が掲げた「断らない救急」のスローガンのもと、骨折手術などの整形外科手術が2009年度271件、2010年度の272件から2011年度は360件まで増えました。この数字は人口増に伴い、今後さらに増えていくと思います。
――人工関節・リウマチセンターもありますが
はい。センターでは股関節・ひざ関節の人工関節手術と関節リウマチの治療が主です。
たらいまわしの防止
――件数が増えた理由は
常勤医師が4名になったことと、救急部・手術室・麻酔科・病棟スタッフの理解協力のもと、骨折を中心とした整形外傷患者さんの受け入れ強化を計れたことが大きいです。また、手術後に患者さんが退院するにはリハビリテーションが必要です。そのため術前からリハビリを導入し、自宅への退院に時間を要しそうな患者さんには「回復期リハビリテーション病棟」への転院をメディカルソーシャルワーカー(MSW)を介入することですすめ、入退院の回転効率を改善しています。ベッドの空きがないと患者さんの受入れができませんから。そうして海老名や近隣市からの救急患者さんが「たらいまわし」になるのを防いでいます。これは、病院スタッフ、患者さん、そのご家族の理解・協力なしでは進みません。
早期社会復帰が可能に
――海老名総合病院の整形外科の特徴は
患者さんは、整形外科外傷以外の病気を抱えている場合も多いですが、当院では患者さんが少しでも安心できるよう、各科の医師たちのバックアップのもと、時に相互に協力して、手術治療、術後管理に当たれることで、当院にさまざまな診療科が揃っているからできることです。また骨折治療は、骨折手術の技術・固定具の進歩により、手術時間の短縮・早期リハビリテーションが可能になりました。たとえば骨粗しょう症など弱い骨でも強固に固定でき、また粉砕骨折でもしっかりした固定が可能になるということです。私たちもこの時代の流れに遅れることなく、新しい治療を導入することで、入退院の効率化を計り、ひいては患者さんの早期社会復帰に力を注いでいます。
――課題は
効率化に日々努力しておりますが、改善したとはいえまだまだ手術までに日にちを要してしまっている点です。現在は1週間以内を目標にし、早いうちに手術する流れになっています。さらに日数を短縮するためにも手術室の利用枠の拡大、手術スタッフの拡充が必要です。さらに入院患者さんはリハビリテーションがしっかり行き届いていますが、退院後の外来通院患者さんのリハビリテーションの利用回数を今以上に増やせるようリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士)の拡充が急務と考えています。
また私たちは地域の医療機関と連携を図り、救急以外の診療も行っています。今後高齢化に向け骨折患者の増加が予想される中で、きちんとした受け入れ態勢の強化に努めていきます。
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