「なんじゃもんじゃ」の通称で知られ、高さ15m、周囲8・6m、樹齢350年を超える海老名の名木「有馬のはるにれ」。今年度で県天然記念物指定から60年、「かながわの名木100選」に選定され30年を迎えた。
北海道から本州にかけての山地に自生する「ハルニレ」は海老名のような温暖な地域で大きくなるのは珍しいとされ、3、4月頃に咲く花はあまりに小さく見つけることが困難なため、「幻の花」と言われることもあるという。
幹の空洞化による腐朽や倒木の恐れがあることから、1994年度から樹木医による診断や、栄養が行き渡るようにする土壌改良、剪定など、これまでも保存修理が進められてきた。
2月上旬からは地面から露出している根幹部分の空洞を防ぐため、補修材を詰め強化を図っていくとともに、枝葉が繁茂したことから負担軽減のため樹幹部の剪定を行う。
市教育総務課文化財係によると「保存修理により樹勢が回復している」と話している。
「なんじゃもんじゃ」の由来と歴史
この名木は海老名市史のむかしばなしにも紹介されている。
江戸時代寛永の頃、半井(なからい)驢庵(ろあん)という御典医が将軍徳川家光に仕え、病を治療した功績により、この地に館を設けた。後に朝鮮に渡り、帰国の際に持ち帰ってきたハルニレを植樹したことが始まりで、名前を知る人がいなかったため、「なんじゃもんじゃ」と呼ばれたと伝えられている。
根元の大きな空洞の中には焚火で焦がした形跡があり、旅人たちが雨宿りや一夜の宿にしたとされ、広い草原だったこの地は遠くは霞んで見えず、木を眺めて「用田の宿も近い、厚木国分の宿も何里だ」と疲れた旅人を元気づけ慰めてくれたといわれる。
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