20周年を迎える新日本舞踊「千翔流」の家元を務める 山口 三千代さん 杉久保南在住 75歳
魅力を追求、生徒とともに
○…「どうぞ、どうぞ」。練習場へ入ると、全員が笑顔で迎えてくれたことが団体の第一印象。地元の祭事出演ほか神社奉納や高齢者施設への慰問活動などを続ける「千翔流」が4月23日に海老名市文化会館で「20周年発表会」を行う。節目となる催しを前にしていることもあり、稽古には熱のこもった声が飛んでいた。「皆、一生懸命にやっているので、是非見に来てください」と話す。
○…幼少の頃から踊りが好きで、学芸会や地元の祭りなどで舞台にあがっていた。大人になるにつれ、踊りとは縁遠くなっていったが、子育ての際に娘が習いい始めた大谷歌舞伎で出会った新日本舞踊が、踊りの道に戻るきっかけを与えてくれた。初めは思うようには動けなかったものの、辛いよりも「楽しい、学びたい」という思いが強く、その魅力にどんどん引き込まれていった。15年間でしっかりと基礎を身に付け、日本舞踊の伝統を次世代に継承していこうと「千翔流」を立ち上げた。「20年もやって来られたのは、皆様の支援があったからこそ。特に生徒さんたちの支えが無かったら、この団体はありません」と感謝の思いを表す。
○…4年前に夫が介護を必要とする大病を患い、生活は一変。家では付きっきりの生活になり、週に3回のデイサービスなど、生活の合間を見つけて稽古の時間を作っていた。しかし、あまりの忙しさに、一時は指導を辞めようと思う時期もあったという。「その時、生徒さんから掛けてもらった『一緒に頑張ろうよ』という温かい言葉に、とても勇気付けられました」
○…小学2年から94歳までの幅広い年齢層の生徒たちが所属。現在は「家以外のことは毎日が踊り」というほど、踊り一筋の生活を送っている。「舞踊は奥が深く完成がないのも楽しいところ。そして千翔流は一人でなく、皆の舞踊団体なので体が続く限り、一緒に踊っていたい。それが私の目標ですね」と微笑んだ。
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