綾西バザール商店街の縮小模型を製作した 原地 千尋さん 国分寺台在住 23歳
生み出す「新たな価値」
○…昨年、美術大学の卒業制作に取り組もうと、シェアハウスや団地などの「人の集まる場」を見て回っていた。その中でピンときたのが、自宅近くの綾西バザール。「商店や広場、居住スペースがある空間を活かして街を再構築したら面白いのでは」とひらめき、同商店街を題材にリノベーション模型(今あるものを活かしより良く作り変えること)を作成。すると商店街側から展示を打診された。「地元を良くしたいと思って作ったので、今後のまちづくりに少しでも役立てられれば」と笑顔を見せる。
○…双子の妹として生まれた。野球少年の兄と対照的なインドア派の少女だった。特に夢中になったのが「シルバニアファミリー」。人形よりもミニチュア家具に興味を示した子ども時代の夢は「大工さん」だった。高校生のときに「家具だけでなく空間からデザインしたい」と考え、美術大学へ。たくさんの課題やコンクールに追われアルバイトをする暇もない学生生活だったが、コンクールでの成績が評価され、現在は不動産会社のデザインチームに所属している。「担当はリノベーション物件の設計。経験が浅く苦労も多いけれど、毎日が勉強です」と話す。
○…息抜きは映画観賞。SFやファンタジーなど非日常的な作品を好むが、観ていて気になるのはストーリーよりもセットの造りなのだとか。「ハリーポッターは何回も観ました。魔法学校の間取りが気になって…」と、実益を兼ねた目線で趣味を楽しんでいる。
○…最近ではその腕を認められ、都内にある商店街のフラッグデザインを任されるなど、仕事の幅を広げつつある。特に関心があるのは「中古住宅のリノベーションデザイン」。より知識を深めるため、リノベーションが中心のヨーロッパで働く計画も思い描いている。「古いものを大切に、今ある素材を活かしてより良いものに」。この考えを軸に、自らの手で新たな価値を生み出していく。
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