野球の審判員として世界規模で活躍している清水康大さん(今里在住・43)がこのほど、「平成29年度スポーツ庁長官奨励」を受賞した。昨年から始まった制度であるが、野球部門での奨励者は全国で20人のみ。清水さんは「大変名誉な事で嬉しい。職場や家族の理解があってこその賞。支えてもらっている皆様に感謝したい」と話していた。
この制度は審判員として優れた資質を有し、世界的な規模の競技大会における活動を通して、日本のスポーツ振興・国際的な地位向上に資することが期待される団体・人に対し、スポーツ庁長官から奨励されるもの。今回の奨励者は35団体133人おり、このうち野球関係者は10人だった。
スポーツ審判員の多くは他の職業と兼務しており、職場の理解を得た上で国際的なスポーツ大会で審判を務め活動を続けている。スポーツ庁では同賞を設けることによって、審判員を社会的に支援していくことも目的の一つとしている。
清水さんは日米大学野球、社会人選抜の東アジア大会、U18の世界大会等さまざま舞台を経験。普段は軟式野球から高校、社会人野球の審判を務めている。日本で30人しか持っていない「S級ライセンス」という最高位の審判資格を保持し、神奈川県内では指導者としても活動している。
一方、仕事は海老名消防署の救急隊員として勤務。プロ野球選手か消防士という幼少時代の夢を、片方叶えた形で1993年に入庁した。「その人のために最善を尽くす」というモットーのもと、日々の業務に取り組んでいる。
五輪出場を目指して
高校野球児だった清水さん。しかしながら、高校時代は夏の甲子園大会では1試合の勝利も収められず、悔し涙を流したのは今でも鮮明な記憶として残る。卒業後は野球人生が途絶えたかに思えたが、職場の先輩から「審判をやってみないか」と誘いを受け、再びグラウンドに立った。「選手として芽は出なかったものの、審判として大舞台に立っているのは不思議な思い。先輩たちのご尽力により、門戸は広がっている。誰でも可能性があることを知ってもらえれば」と熱弁する。
”最善を尽くす”のは職場だけではない。審判においても、人生の一球を決める立場であることから、全力で役割をこなしている。
今後について清水さんは「何事もそうだけれど、残念ながら突然上手くなる事はない。技術・メンタル・信頼を積み重ね、2020年の東京五輪に向けて日々取り組んでいきたい」と、次の目標に向かっている。
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