海老名市役所の2階に揃いのユニフォームを着て事務仕事をする10人ほどの女性がいる。この職員は海老名市の保健師で市役所全体で7課18人が勤務している。
保健師の守備範囲は妊婦から胎児、乳幼児、高齢者まで全市民に及ぶ。病院や介護施設など一定の管理下で患者などの健康を護るのが看護師で、その資格を持つ保健師は地域で暮らす市民の生活にあわせて、市民の心と体の健康を支えている。
保健師は「保健師助産師看護師法」に基づく看護師と保健師の国家試験に合格した専門職で、そのおよそ7割が全国の行政機関に勤務しているが、「あまり目立たない地味な仕事」と称する保健師もいる。
新型コロナ禍の4月20日、海老名市は来年3月31日までの期限付きで、厚木市内にある県厚木保健福祉事務所(保健所)に若手保健師1名を派遣した。その際、複数の保健師が名乗りを上げた。
派遣先では、PCR検査の受け入れなどで多忙を極める保健所業務をサポートしながら、専門職として新たな経験を積んでいる。
海老名市の保健事業を統括する保健師の安本栄保健統括担当課長は「県への派遣には多くの保健師が名乗りを上げてくれた。2009年の新型インフルエンザでも感染症対策が注目されたが当時は短い期間。今回の新型コロナは当時と比較にならない事態」と、危機感をあらわにする。
安本さんら保健師は、海老名市が厚木の保健所を支援するため今年4月に開設した「新型コロナウイルス感染症コールセンター」も受け持つ。
このコールセンター開設から3カ月がたった今、保健師たちは異口同音に「発熱や咳、味覚の異常、濃厚接触の疑いなど具体的な症状などに不安を抱える10代から40代からの相談が急増している」と、警鐘を鳴らす。
看護師の資格を併せ持つ保健師もまた、医師や看護師と同様に新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立っている。
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