座間市で今年8月から始まった「アウトリーチ支援」に、想定を大きく上回る反響がある。専門相談員が市職員に同行して訪問し、より手厚い支援体制が整ったため、これまで市への相談をためらっていた人からの問い合わせが増えたとみられる。
この支援は、市が国家資格である精神保健福祉士のいる事業者に業務委託。専門相談員は、「ひきこもり」「人間関係がうまくいかない」など生きづらさをもつ人に対し、市職員と一緒に「アウトリーチ」(相談者の自宅などに出向くこと)し、支援に最初から最後まで「伴走」する。
市では相談実績などから、月に2〜3件の新規相談を想定し、8月から専門相談員を1人配置。しかし、10月までの3カ月間で22件の新規相談があった。相談内容の大半がひきこもりだが、夫婦間や近所のトラブルまで幅広く扱っている。
市ではこれまで、必要に応じて市職員が訪問をしていた。しかし専門家ではないため、相談者が心を開いてくれない場合や、相談者からの質問に根拠を持って答えられないこともあったという。
相談員を務めている「相談オフィスわ〜くすけあ」(座間市小松原)の池田陽子さんは、県精神保健福祉士協会の会長で、市の非常勤職員としての勤務経験もある。池田さんは「市職員では躊躇してしまうような深い部分までしっかりと聞ける。また訪問することで解決の糸口が見つかることもあり、行政では手の行き届かない『グレーゾーン』の支援にもつながっている」と話す。
市生活援護課は「想定以上の反響。一度の訪問で問題解決することは少なく、相談員が一人では余裕がなくなってきており、増員の検討も必要」との認識を示している。
本人や家族以外からの相談も可能。(問)市生活援護課【電話】046・252・8566、【FAX】046・252・7043
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