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元小学校長有山周一さん 「バカヤロー先生」後世に 没後50年で絵本制作 小学校にも寄贈

教育

公開:2022年8月26日

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庵医師の胸像を前に絵本を持つ有山さん
庵医師の胸像を前に絵本を持つ有山さん

 座間市入谷西在住で、東原小学校前校長の有山周一さん(63)がこのほど、戦後の座間の地域医療を支えた庵政三医師を紹介する絵本『バカヤロー先生〜いほりまさぞうものがたり』を出版した。絵本は市内小学校に10冊ずつ寄贈する。

 庵医師は1901年に浦賀に生まれ、日本陸軍の軍医として従事。終戦後の1946年、市内に「庵医院」を開業し、生活に困窮する人の治療にも奔走した。1971年に死去すると、地域住民が募金を集めて胸像を建立。胸像は現在も、市民健康センター前にある。

 市内の小学校で長年教鞭を執っていた有山さんは絵が得意で、2014年に市内の歴史上の偉人を学ぶ小学生向けの副読本の中で庵医師のイラストを担当した。有山さんは「座間で生まれ育ったのに、庵先生の存在を初めて知った。後世にもっと功績を伝えていくため、庵先生の本を作りたいと思った」と話す。

 昨年が没後50年、生誕120周年であったことから「今しかない」と思い立ち、自主制作を開始。小学校低学年の子どもたちにも伝わるよう、絵本にした。同時に制作資金のクラウドファンディングも行った。

 制作にあたっては、庵医師と交流のあった住民などに取材。庵医師は威勢がよく、患者を「バカヤロー」と叱ることもあり、子どもたちから「バカヤロー先生」と呼ばれていたため題名にした。有山さんは「子どもたちは先生のことを『こわい』とは思わず、医者嫌いの子も『バカヤロー先生なら行く』と言ったそう。絵もその庵先生の雰囲気が伝わるよう意識して描いた」と話す。

 絵本は、有山さんが市内の各小学校を訪問し、10冊ずつ寄贈をするという。座間市教育委員会の木島弘教育長は「先人の功績を学ぶことは郷土愛を育むことにつながる。低学年から学べる絵本を寄贈いただき、とても喜ばしい」と話した。

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