7月13、14日に座間市民芸術祭で作品を展示、座間華道協会の会長を務める 林 千鶴子さん 座間市新田宿在住 70歳
無数の視点で美を探す
○…市役所の玄関を彩るいけばなを、メンバーが1週間交替で手がける華道協会。準備作業中に「この花は何」「楽しみだね」と来庁者から声をかけられるのが嬉しい。会員の作品を一堂に集めた今回の展示は、様々な流派や大小の作品が集まり、市民に華道を知ってもらう大きなチャンス。「作品ごとの展示スペースも大きいから、様々な角度から鑑賞してほしい」と意気込む。
○…会長を務めながら自身の「いけばな」を探求してきた。生花店で素材を求める日もあれば、相模川や海岸を歩き、時にはカヌーに乗って流木を探す。特に台風の後は心が躍る。「風雨にさらされて磨かれた、かすれ感がたまらない」という。花を生けていると、花が自分に寄り添ってくれるように感じるのが不思議だ。目を細めて「あなたのために咲いているのよ、と言っているみたい」。こうした素材探しは体力勝負でもあり、ジム通いを欠かさない。
○…中学生時代はソフトボールに熱中した。投手を務め、よく農道の石を投げてアンダースローのフォームを磨いた。「畑に石が入るじゃないか」と農家の父には怒られた。練習で帰宅が遅くなり、母から薦められたのが華道だった。家には花器などもあり、華道部へ入部。社会人になり本格的に教室に通い始め、今も研さんを重ねる。
○…地元の座間市は起伏に富み散歩が楽しい。おすすめは坂のてっぺんから眺める下界の景色。坂を下って田んぼに立つと大山の夕焼けが待っている。取材中も手にしたボールペンを傾けながら「正面だけじゃなく、角度を変えると表情も変わる」と見入った。その視点のありようを長年師匠に教わってきた。花を手にした時も誰かと相対する時も、常に角度を変えて美しさを探している。
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