海老名市国分南在住の伊與田(いよだ)喜代美さん(66)が描いた水墨画がこのほど、第39回全国公募南九州水墨画展で最高賞となる鹿児島県知事賞・松下美術館長賞に選ばれた。伊與田さんは2年連続で最高賞を受賞し、「無理だと思っていたので嬉しい」と話した。
同展は、(一財)松下美術館の主催で水墨画の発展と世界に通じる画家の育成を目的に1987年から行われている。主催者によると今年は102作品の応募があった。
最高賞に選ばれた伊與田さんの作品タイトルは「灼熱」。地球温暖化を憂い、アスファルトに照り付けるギラギラとした暑さと乾きを夏を代表する向日葵をモチーフとして表現した。審査員からは「対象を鋭く捉えた、見る側を唸らせる気迫のこもった作品」と評価を受けた。
伊與田さんは、20年前から趣味の一つとして水墨画教室に通い始めた。「当時は子どもが使っていた習字道具でした」と笑う。2010年から公募展に作品を応募し、数々の賞を受賞。2019年には国際水墨芸術大展で大賞に選出された。
水墨画の魅力について伊與田さんは「画材や調墨、運筆によって毎回違う違うものができる難しさ」と言い、同展には、向日葵の画像を見ながら描き方や紙を変えて3パターンを描き、納得した作品を応募したという。
作品は9月1日まで松下美術館や鹿児島県霧島市役所で展示中。伊與田さんは今後について「地元の皆さんに見ていただける機会を検討したい」と話した。
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