綾瀬市が今年6月から始めた「アウトリーチ支援」に、想定を上回る反響が出ている。社会的な孤立に苦しむ人の自宅に専門相談員と市職員が訪問し、社会参加や就労に向けたサポートに取り組んでいる。就労準備や居場所づくりなど手厚い支援体制も整えた。同市によると「これまで相談をためらっていた人など、問い合わせが毎日3〜4件ある」という。
綾瀬市は、80代の親がひきこもり状態にある50代の子を養う「8050問題」の顕著化を受け、支援体制を強化した。
今年6月に国家資格である精神保健福祉士のいる事業者に業務を委託し、「アウトリーチ支援」をスタート。8月には市内寺尾中に就労準備支援事業とひきこもりサポート事業の拠点を整備。市民の相談にワンストップで応じる体制を整えた。
市ではこれまで、職員が必要に応じて相談者の自宅を訪問していたが、ひきこもり状態の人に直接面談できないケースが多くあったという。アウトリーチ支援のスタート以降は月2〜3件の新規相談があり、適切な支援につなげている。
相談件数に大きな増減はないが、電話による問い合わせが毎日3〜4件寄せられており、同市福祉総務課は「想定以上の反響。連日問い合わせがあることはなかった」と認識を示す。
同市寺尾中に設置したフリースペース「みんなの居場所ぽーこ・あ・ぽーこ」では開所以降、利用が増えており、同所で就労準備支援事業を展開する「はたらっく・あやせ」では利用者1人を就労につなげた。
同市福祉総務課では「個々の事情に合った支援を一緒に考えます。社会的孤立を防ぐためにも心配事は早めに相談を」と呼びかけている。
(問)市福祉総務課【電話】0467・70・5624
初のセミナーも
ひきこもり居場所セミナーが9月25日(水)に綾瀬市保健福祉プラザ(深谷中4の7の10)で開かれる。時間は午後2時〜3時30分。参加費無料、申込み不要。市外からの参加も可。
精神保健福祉士の池田陽子さんを講師に迎え「私が私らしく地域で暮らすために」をテーマに講演する。
セミナーを企画した「ぽーこ・あ・ぽーこ」責任者の長田友香さん(=人物風土記で紹介)は「綾瀬市で、ひきこもりに特化したセミナーは初めての試みになります。この機会に理解を深めてもらえたら」と参加を呼びかけている。
(問)ぽーこ・あ・ぽーこ【電話】0467・73・7482(土日祝休み)
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