綾瀬市立土棚小学校5年の渡井蓮さんが、パリのシャトレ劇場で10月13日に開かれたブレイキンの世界大会「BATTLE PRO2024」キッズ(12歳以下)部門で初優勝した。渡井さんは、大会直前に右手親指を骨折するアクシデントを乗り越えて同世代のトップに。「自分の思い通りのダンスを披露できてよかった」と笑顔を見せた。
「ブレイキン」はDJがかける音楽に合わせ、選手が交互に即興でダンスを披露し、表現力と技術を競うスポーツ。今夏のパリ五輪で新種目として実施され、日本人選手が金メダルを獲得したことで注目を集めている。
「BATTLE PRO」は、プロをめざす若手ダンサーにとって、登竜門に位置付けられている世界大会の一つ。渡井さんは、15歳以下のジュニア部門で全日本大会出場や関東甲信越大会準優勝などの活躍をしている。世界大会には、動画サイトでその活躍を知った主催者から、直接招待されたという。
渡井さんがダンスを始めたのは5歳から。母のはるみさん(45)から勧められた。振り付けやステップを披露するよりもアクロバティックな技のあるブレイキンに興味を持った。
世界大会にはフランスやイタリア、カメルーンなどから同世代の選手が出場。渡井さんは3日前に骨折した影響で痛み止めを飲んでステージに立ち、即興で技をつないで観客を魅了した。審査員から「女子選手には類を見ない力強いダンス」と高く評価された。
将来はプロに
力強いダンスで観客を魅了する一方で、ステージを降りると子どもらしい一面も。父の恭平さん(37)によると、「普段は人見知りで、人前では言葉数が少ない」と話す。渡井さんの夢は世界的なプロダンサーで「言葉が通じなくても、ダンスのおかげでたくさんの人と大会で仲良くなれたから」と理由を語った。
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