第50回衆議院総選挙の投開票が10月27日に行われ、本紙発行の神奈川13区(横浜市瀬谷区、大和市、綾瀬市)、同16区(厚木市、海老名市、伊勢原市)、同20区(相模原市南区、座間市)の3選挙区で立憲民主党の候補者が揃って当選した。自民党は3選挙区で議席を失った。
13区
5人の争いとなった13区は、立民前職の太栄志氏(47)が8万8833票を集めて2回目の当選を果たした。
本紙の取材に太氏は「自民党政治を終わらせる戦いで、日ごとに後押しが増えていった。野党分裂で不利な状況だったが、この3年間、小選挙区で勝とうと誓い合ってきた。こういう結果になって良かった」と振り返った。
2期目については「ライフワークである外交、安全保障、物価高対策を含めた経済対策、お金の透明性を高める政治改革に取り組みたい」と抱負を話した。
一方で、自民党新人の丸田康一郎氏(39)は、惜敗率も及ばず落選した。支援者に対し丸田氏は「結果が出せなかったのは私の力不足」と声を震わせた。
衆院選に小選挙区比例代表並立制が導入された1994年以降、13区で自民党が小選挙区、比例代表ともに議席を確保できなかったのは今回が初めて。
13区全体の投票率は51・97%。綾瀬市は前回より4・54ポイント低い48・96%だった。
16区
前職2人と新人3人が立候補した16区は、立民前職の後藤祐一氏(55)が6期目の議席を獲得した。前回選挙(2021年)で比例復活を果たした義家弘介氏(53)は、重複立候補がかなわず背水の陣で臨んだが及ばなかった。
当選確実の一報を受けて事務所入りした後藤氏は「裏金問題を中心とする追い風もあった」とし、「勝ち負けを繰り返してきた小選挙区でようやく連勝することができた。立憲民主党が伝えてきた政策を理解いただいた結果だと思う」と手応えを述べた。
義家氏は、政治資金収支報告書への不記載問題で終始劣勢に立たされた。河野太郎氏や小泉進次郎氏らが選挙区入りして支援したが前回から4万7千票近く得票数を落とすなど、逆風をはねのけられなかった。
16区全体の投票率は53・27%。海老名市は前回より3・37ポイント低い57・06%だった。
20区
三つ巴の戦いとなった小選挙区は立民新人の大塚小百合氏(44)が8万3282票を獲得して、初当選を果たした。自民党元幹事長で当選13回の前職・甘利明氏(75)は党内の73歳定年制のため、比例重複立候補がなく落選した。
大塚氏は、2児の母親としての視点と20年間に及ぶ介護現場での経験を前面に出して支持層を広げた。相模原市南区の事務所で「『絶対に勝ってほしい』という励ましの声が多く寄せられた。当選したら涙を流すと思っていたが、これからの決意が強く湧いた」と喜びを述べた。
甘利氏は、長らく旧13区を活動基盤としていたが、前回選挙(2021年)で立民の太氏に敗退。選挙区割りの変更に伴い、新設された20区に「国替え」して臨み、小泉進次郎氏や麻生太郎氏らが選挙区入りして支援したが2万票の差をつけられ完敗した。今後については「関係者と相談して判断する」と発言するに留めた。
海老名駅東口の開発や大和市のシリウス建設、厚木基地の騒音問題の対応など、多数の功績を残した大物政治家の落選は、地元経済界や行政に衝撃を与えた。
20区全体の投票率は53・45%。座間市の投票率は49・30%だった。
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