児童養護施設に「理容室」 出張カット、7年目に
「よろしくお願いします!」。元気いっぱいの声を出して教室に入ってくる子どもたち。6月24日、緑ケ丘の児童養護施設「成光学園」(矢部雅文園長)の一角にある地域交流室が、即席の理容室に変わった。児童の髪をカットするのは、市内外で理容室を営む「カットサロン フィックス」(宮園毅代表)のスタッフ。2008年から始まったボランティアの「出張カット」は、今年で7年目に突入した。
「前髪を3cm短く」「後を刈り上げてください」「髪をすいて全体的に軽めに」―。職員や子どもたちからリクエストを聴き、丁寧にはさみを動かしていく同店スタッフ。専用の椅子と鏡が置かれた教室は、理容室さながら。備え付けの洗面台で、シャンプーすることも可能だ。
出張カットが始まったのは2008年の春。「お店として社会貢献できることはないか」と模索していた宮園代表が、本紙に載っていた学園の記事を読んで、カットを申し出たのがきっかけだった。それから毎月1回、定休日の火曜日に、店長らをはじめとするスタッフ4、5人で学園を訪れている。
毎月会うことで顔なじみになり、子どもたちとの仲も深まった。座間店の田中仁店長は「あだ名をつけて呼んでくれたり。高校生がお店に来てくれることもあって嬉しかったですよ」と顔をほころばせる。
「子どもたちにとって、身だしなみを整えることは大切なこと」と話すのは矢部園長。多い時には50人に及ぶというカットを引き受けてくれることに、強い感謝の気持ちを抱いている。宮園代表は「子どもたちから、元気をもらっている。これからもずっと続けていきたい」と笑顔で話した。
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