世界を舞台に活躍するアスリートを育てるJOC(日本オリンピック委員会)エリートアカデミーに、3月に市立西中学校を卒業した伊藤洸輝(ひろき)さん(15歳)が、飛込み競技の選手として入校した。国内有数のトレーニング施設とトップレベルの指導者のもと、将来のオリンピック出場を目指す。
「目標は金メダル」
アカデミーは国際競技力の向上・維持、スポーツを通じて社会貢献できる人材育成などを目的に2008年に開設。優れた素質を持つ、中学生から高校生までを対象にしている。選手は、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)を生活拠点に、近隣の学校に通いながら「競技力」に加え「知的能力」と「生活力」を育む。8期生は水泳・卓球・フェンシングなど4競技から4人で、今月5日に入校式が執り行われた。
伊藤さんも都内の高校に通学しながら練習に励む。コーチを務める毒島(ぶすじま)泰士さんは、その特徴について、高難易度の技に必要不可欠な「パワー」を持っていること、そして努力を怠らない「気持ちの強さ」を秘めていることを挙げる。「まだ粗削りですが、技術や体の使い方を学べば、もっと伸びる」と太鼓判を押す。
恩師の言葉が夢の後押しに
飛込みは、高さ数mの台からジャンプし、入水するまでの動作の正確性や美しさを競う。伊藤さんは小学1年の時に、相模原市水泳協会所属の「S・D・T」(相模原ダイビングチーム)に入会した。
同チームで出会ったのが、恩師と呼べる兪金魁(ユ キンケイ)さんだ。実は、小学校低学年の頃は、今ほどのめり込んでいなかったそう。本格的に志すきっかけとなったのが、兪さんの「いつか一緒にオリンピックに行きたい」という一言だった。「その想いに応えたい」――。4年の時に親から「本気で取り組む気持ちがあるなら続けなさい。無ければ、辞めなさい」と問われた時も、この言葉が後押しとなったという。
6年から頭角を現し始め、静岡県で行われた全国大会「とびうお杯」で初優勝。中学1・2年の時は、全国JOCジュニアオリンピック大会を連覇した。
これまでの実績が認められ、水泳連盟からアカデミー挑戦を打診されたのは昨年。「こんな機会は人生で二度と無い。選手として、人間として自分を成長させる大きなチャンス」と、地元を離れてのチャレンジを決めた。
将来の目標は、オリンピックでの金メダル獲得だ。20歳で迎える、2020年の東京大会も視野に入っている。「世界で戦える力を身に付けるため、もっと練習に励みたい」と意気込んでいる。
![]() 恩師の兪さん(左)から指導を受ける伊藤さん
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