4月28日から開催される「写真で見るオダサガの今昔」を主催する 藤原 和雄さん 相武台在住 76歳
ファインダーから街見つめ
○…1枚のモノクロ写真に残る、50年前の小田急相模原駅付近。空き地と思われる草原とともに、ぽつぽつと木造住宅が写っている。この景色の中に写真店を構え、「オダサガ」の変遷を肌で感じながら街を見守り続けてきた。店の50周年を昨秋に迎え、一つの区切りとして写真展を企画した。その名も「写真で見るオダサガの今昔」。街の、人の、そして時代の移り変わりを追う。
○…愛媛のみかん農家に生まれ育った。視界一面に広がる畑は、春には花で真っ白に、実をつけると鮮やかなオレンジとグリーンに染まって季節を教えてくれた。大学卒業後に故郷を離れ一度は東京で就職したが、兄弟3人で協力し、小田急相模原駅近くで開業することを決意。その絆の印として、店は「三協フォートサービス」と名付けられた。愛媛を離れずいぶん長い月日が経ったが、みかんの香りがするたびに故郷を思い出す。
○…開業の前年、同じ通り沿いで開校した「東海大付属相模高校」をずっと応援し続けている。時にはいちファンとして、時には地元商店会の会長として。野球部が甲子園やセンバツに出場するたびに街が湧き、優勝するとお祭り騒ぎになった。同店が所属する商店街も同校にあやかり、かつての「栄通り商店会」から「東海相模通り商店会」に改名してしまったほどだ。「現役高校生だった原辰徳さんが店に写真を見に来てくれたりして。楽しかったね」。オダサガとは縁の深い同校のあゆみも、今回の写真展で紹介する。
○…かつては13軒あった同業者もいまではほとんど残っていない。誰でも写真が撮れて、家でプリントできる時代。それでも、半世紀の実績と丁寧な仕事ぶりからお声がかかる。「中には、3世代にわたってうちで七五三の写真を撮ってくれている家庭もある。感慨深いね」。これからも、街の内側からオダサガを見つめ続けていく。
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