第90回記念選抜高等学校野球大会(センバツ)出場を決めた日大三高(東京都)。全国屈指の強豪校の中心選手として活躍しているのが、座間市立西中出身の大塚晃平外野手(2年)と、同市立南中出身の齊藤龍二捕手(2年)だ。強打の三高打線で四番に座る大塚選手と、守備の要を務める齊藤選手に、3月23日(金)開幕の夢舞台へ向けた意気込みを聞いた。
勝負強さ求めて
鋭い金属音とともに、打球は瞬く間に外野手の頭を超えていく――。ランナーを置いた実戦形式の打撃練習で、大塚選手は一際強烈な打球を放っていた。「センバツまで残り少ない。内外野の間に鋭い打球を打ちたい」と、日々強打に磨きをかけている。
新チームになってから四番に定着。秋の都大会では持ち前の勝負強さを発揮し、5割を超える打率をマークした。目標としているのが、右打者シーズン最高打率の記録を持つ内川聖一選手(福岡ソフトバンクホークス)だ。「広角に長打を打てて、打率も高い。自分もチャンスで一本打てる勝負強い打撃をしたい」と、力強く語る。
座間小時代には座間パイレーツに所属。入部以来6年間、大塚選手の成長を見守ってきた野口隆代表は「高学年になるにつれて、前に出られるようになった。自然と周りがついてくるタイプ。パイレーツ全員で応援したい」と話す。
大塚選手はセンバツに向けて、「甲子園は強いピッチャーが全国から集まる魅力的な場所。バッティングで勝利に貢献したい」と抱負を語った。
理想は「勝てる捕手」
「去年はベンチに入れず、羨ましい気持ちがあったが、今年は違う」。夢舞台が近づくにつれて、齊藤選手の気持ちは高揚しつつある。
正捕手の座をつかみ取った昨年。11月に行われた明治神宮大会初戦では、本塁のクロスプレーで走者と激突。救急車で搬送された。「これまで経験したことは無かったが、こういうこともある」。冬にはキャッチャーの守備練習を徹底し、自身を追い込んだ。
常勝が求められる日大三高野球部。掲げる理想は、「総合的な力があって、勝てるキャッチャー」だ。憧れの選手は、同校OBで広島東洋カープの有望株・坂倉将吾捕手。齊藤選手が1年の頃、正捕手として活躍しており、周囲から信頼を集める様を目の当たりにしてきた。「坂倉選手のように、安心感のあるキャッチャーになりたい」と話す。
栗原小時代、ポインターズ座間で齋藤選手を指導した大沢信一郎代表は、「とにかく野球が大好きで、負けず嫌いな子だった。夢の実現に向けて頑張って」とエールを送る。
昨年は初戦で涙をのんだが、「まずは1回戦の壁を突破して、流れに乗りたい」と決意を述べた。
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