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座間ニア検定100回記念 丸山不動尊の謎に迫る 江戸中期から入谷を守護

文化

公開:2018年10月5日

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赤い小屋の中に鎮座する丸山不動尊。正面の小窓から様子を見ることができる
赤い小屋の中に鎮座する丸山不動尊。正面の小窓から様子を見ることができる

 「座間ニア検定100号の記念に、ほとんど知られていないであろう写真を撮りましたので送ります」――。ある読者から先月、見たことのない不動尊の写真が編集室に投稿された。市内の一風変わったスポットを紹介する弊紙「座間ニア検定」に9月14日号で出題したところ、「難しすぎる」「早く答えを知りたい」といった声が寄せられた。長年管理する地域住民に、この「丸山不動尊」について話を聞いた。

 県立座間谷戸山公園の北口駐車場から小田急線の踏切を越えてすぐ、右手のところに「丸山不動尊入口」と書かれた木の看板がある。「場所が少しでもわかるように」と、丸山不動尊を管理する一人、星野正孝さん(74/入谷在住)が弊紙掲載後置いたものだ。

 不動尊はこの入口看板から細道を上っていった場所の左手にある、赤い小屋の中に鎮座する。戸は閉まっているが、正面に小窓が設置されており、そこから中の様子を見ることができる。

住民集うきっかけに

 4代前から丸山不動尊を守ってきた小松純雄さん(84/入谷在住)によると、江戸中期から入谷3丁目の中谷戸地区で長年祀られてきた。隣に座るのは「現星寺の開基ではないか」と小松さんは話す。

 地域住民は「講」を結成し、輪番制で管理。農閑期に集ってお経を唱え、五穀豊穣、家内安全、火災防止などを祈念したという。娯楽の無かった江戸から大正にかけて、「各自ごちそうを持ち寄って、酒を飲むのが楽しみだったのだと思う」と小松さんは語る。

 1923年、関東大震災によりお堂が破損するも、3年後に講中が協力し復旧。現在は地域住民の11世帯が管理し、毎年4月28日に中谷戸公民館で集いを開催。小松さんが木魚を叩きながらお経を読み上げ、住民らは拍子木を叩く。同公民館には使い古されすり減った拍子木が、今でも大切に保管されている。

寄付募り修繕

 そんな丸山不動尊だが、平成に入ると経年劣化が進み、本尊が崩れ落ちていった。そこで2007年、住民らが寄付を募り、約200万円をかけて修復を開始。京都の職人が本尊を丁寧に解体し、漆を何重にも塗り組み立て直した。

 管理者の高齢化が進む中、次世代への伝承が今後管理していく上での課題だという。「この際、不動尊の案内板を作って設置しようかな」。星野さんは笑顔で語った。
 

新設された入口の看板
新設された入口の看板
細道を登っていくと、不動尊が鎮座する赤い小屋がある
細道を登っていくと、不動尊が鎮座する赤い小屋がある
丸山不動尊の謎に迫る-画像4

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