4月にUAE(アラブ首長国連邦)で行われた、アブダビワールドプロ柔術世界大会に出場し、優勝を果たした。抑える、拉(ひし)ぐ、締めるなどして相手を傷つけずに制する「柔術」。同大会はその世界3大大会に数えられる。地元・UAEを中心に、世界中の猛者が集まる中、頂点を極めた。
木村さんが出場したのは、ジュニアの部で、52kgまでのクラス。トーナメントを勝ち上がった。
「経験のため」。完全アウェーの中でセコンドなども付けずに自身1人で戦う経験を積むため、今回初めて世界大会に臨んだ。「緊張した」。そう本人が語るように、傍で見ていた師匠の山田重孝さんも木村さんの緊張を感じ取っていた。そんな中で迎えた本番。それまでの緊張はなんのその。抜群の集中力を発揮し、UAEの選手を倒し、金メダルを手にした。「『とりあえずチャレンジしよう』と試合開始早々に積極的に技をかけにいったのがよかったんだと思う」と大会を振り返る木村さん。山田さんは「試合前はドタバタするんだけど、本番では迷いを見せない。その集中力の高さが勝負強さにつながっている」と木村さんを評する。
4歳の頃に4つ上の兄の影響で柔術をはじめるも、最初は上手くいかなかった。しかしその後、少し時間を置いて小学1年生の時に再びはじめ、本格的に練習に取り組むようになるとメキメキと成長。アラバンカ柔術アカデミー(相模が丘)で柔術を習いはじめて今年で7年目になる。「真面目」。ほぼ毎日、学校が終わると、同アカデミーに足を運び、2時間半程、スパーリングやテクニックの練習に明け暮れる。山田さんによると木村さんは、小さい時から力に頼らずに、体の柔らかさを生かして技をかける練習をしてきたという。ただそうすると、小さい時は「やられるばかり」になってしまう。そんな状況に耐えられず、嫌になってしまう選手もいるが、木村さんはそこをぐっと堪え、「やられて、やられて、強くなった」。
「相手にけがをさせずに戦えるのがおもしろい」と柔術の魅力を語る木村選手。試合時間は大会ごとに3分から5分ほどの間で異なるが、「早い時間帯で試合を決められた時は嬉しい」。ただ一方で早く決めにいきすぎて、「技を入れるのを焦ってしまう」のが今の課題だ。「技を入れるタイミングを見極められるようにしたい」
夢は五輪出場。現在、柔術は正式には五輪種目になっていないがその可能性は大いにある。「日本中の人が自分のことを知るくらい強くなりたい」挑戦ははじまったばかり。
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